三井住友フィナンシャルグループは6月29日、株主総会を開いた。環境NGOらの株主が提案した「中期・長期の温室効果ガス削減目標を含む事業計画の策定開示」は否決されたものの、27%(速報値)の賛成率を獲得した。(オルタナ副編集長・長濱慎)

株主総会前に三井住友FG本社前でアクションを展開(写真:Taishi Takahashi/350 Japan)

株主提案は、国際環境NGO350.orgのスタッフと市民からなる8名の個人株主が4月に行ったもの。2つの脱炭素への取り組みを進めるよう、定款の一部変更を求めた。

1)パリ協定目標と整合する中期および短期の温室効果ガス削減目標を含む事業計画の策定開示

2)IEA(国際エネルギー機関)によるネットゼロ排出シナリオとの一貫性ある貸付等

1)については、三井住友FGはパリ協定の目標(産業革命前と比較して世界の平均気温の上昇を1.5度以内に抑える)に沿って、2050年までに投融資ポートフォリオ全体のカーボンニュートラルにコミットしている。この達成に向けた中期(30年まで)と短期(25年まで)の削減目標を含む事業計画を策定し、開示するよう提案した。

2)は、化石燃料プロジェクト(石炭、石油、ガス)への資金提供を確実に止める措置を策定し、開示するよう求めた。IEAが21年5月に公表した「2050年ネットゼロ・ロードマップ」は、パリ協定の1.5度達成には新規の石油・ガス田や炭鉱開発、これらに関連するインフラ開発を行う余地がないとしている。

1)は27%、2)は10%の賛成率で「否決」となったが、株主の一人として提案に参加した国際環境NGO350.orgの横山隆美(たかよし)代表はこう振り返る。

「ウクライナ危機で脱炭素の棚上げや、化石燃料への回帰が指摘される中、27%という賛成率は思っていたより高い。化石燃料ビジネスに関わることが企業価値を低下させることを、多くの投資家が認識しているのではないか」

横山代表は「今後は機関投資家とも連携し、企業と対話を続ける必要がある」とも指摘した。実際に投資家の意向が、企業の決定に大きな影響を与えることがある。

2019年には、機関投資家らによるイニシアチブ「CA100+(クライメート・アクション100プラス)」が英石油大手のBPに、パリ協定に沿った取り組みを求める株主提案を行い99%の賛成率を獲得した。これを受けてBPは再エネシフトなどを通して2030年までに温室効果ガスを半減、50年までに実質ゼロにすると表明した。