ESG情報開示最前線(3)

「E(環境)領域についてはかなり議論がされている。一方でS(社会)領域についてはまだ明確はものがない」——。2年ほど前にある会合でこのような意見・議論を伺いました。当時においても、E領域の開示はTCFDなどを中心に整理が進んできたという認識の下、S領域については日本固有の環境などを踏まえた固有の強みをアピールするための情報開示も今後重要となってくる、ということを背景とした意見でした。(有限責任監査法人トーマツ パートナー=窪田 雄一)

2年たった今、どうでしょう。内閣官房や金融庁では、新しい資本主義の実現に向けた議論の中で人的投資の重要性を強調しています。

今年6月に公表された金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告では、人的資本と多様性について有価証券報告書での開示を求めることが提案されました。

さらに、内閣官房に設置された非財務情報可視化研究会より、人的資本開示のさらなる充実のための指針として、人的資本可視化指針案が公表されました。