人的資本開示の中心には何を据えるべきか

ESG情報開示最前線(3)

「E(環境)領域についてはかなり議論がされている。一方でS(社会)領域についてはまだ明確はものがない」——。2年ほど前にある会合でこのような意見・議論を伺いました。当時においても、E領域の開示はTCFDなどを中心に整理が進んできたという認識の下、S領域については日本固有の環境などを踏まえた固有の強みをアピールするための情報開示も今後重要となってくる、ということを背景とした意見でした。(有限責任監査法人トーマツ パートナー=窪田 雄一)

2年たった今、どうでしょう。内閣官房や金融庁では、新しい資本主義の実現に向けた議論の中で人的投資の重要性を強調しています。

今年6月に公表された金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告では、人的資本と多様性について有価証券報告書での開示を求めることが提案されました。

さらに、内閣官房に設置された非財務情報可視化研究会より、人的資本開示のさらなる充実のための指針として、人的資本可視化指針案が公表されました。

有料会員限定コンテンツ

こちらのコンテンツをご覧いただくには

有料会員登録が必要です。

kubota21123

窪田 雄一(有限責任監査法人トーマツ パートナー)

公認会計士 有限責任監査法人トーマツ パートナー 2006年 現 有限責任監査法人トーマツ入社。国内監査部門にて国内大手上場企業から新規設立会社に至るまで、多様な業種の監査業務やIFRS助言業務に従事 2015年から2019年まで Deloitte英国ロンドン事務所に駐在。多種多様なサービスラインの専門家と協働し、様々な現地進出日系企業の課題解決等に従事 現在は監査アドバイザリー事業部 気候変動/ESGアシュアランス室において、TCFDや人的資本開示等の非財務情報開示領域に係るアドバイザリー等に従事

執筆記事一覧
キーワード: #ESG投資

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..