■オルタナ式英単語:Working Together with Society and the Community

皆さんこんにちは! 猛暑が続きますがお変わりありませんでしょうか。

いよいよChapter 3に入ります。Chapter1では日本と世界におけるCSRの現況を概観し、Chapter2では企業中心にCSRを考えてきました。Chapter3は「人」に焦点を置き、これからの働き方、消費行動等について多様な視点から取り上げます。今回はLesson 1 “Working Together with Society and the Community” 「〈社会とつながる働き方〉とは何か」を読みましょう。

英語は比較的平易です。わかりやすい内容でもあり、サクサク読んでいけると思います。

【語注】

viable  実行可能な。(戦略などが)通用する

imperative  必要不可欠の、必須の

intrapreneur  社会起業家

catalyst  触媒

stimulation   刺激

In those days, lifetime employment was guaranteed by showing loyalty to a company or organization in Japan. Now we see a drastic shift towards a new working system. The Bill on the Development of Related Laws to Promote Worker Reform, or the so-called Worker Reform Bill, passed in June 2018, is another symbolic move in Japan.

【訳】
日本では、企業や組織に忠誠を示すことで終身雇用が約束されていました。今日、新たな新しい働き方への劇的なシフトが起こりつつあります。2018年6月に可決された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」、いわゆる「働き方改革関連法案」もそれを象徴する動きのひとつです。

Loyalty「忠誠」は、近年 employee loyaltyという文脈で用いられることも増えました。従業員が組織に満足し「この組織でがんばって成果を上げよう」と強く思うことでパフォーマンスを上げるというemployee engagementの要素のひとつです。

なお、経営学、マーケティングでは、loyaltyは「ロイヤルティ」とカタカナで表記することが多いです。

社会とつながる社員の価値

A survey conducted by a private research organization in 2017, found that 23% of companies allowed their employees to work side jobs, and the number continues to grow. It is because increasing number of companies have an urgent need to diversify their businesses and develop new business, since their existing business models are no longer viable. In order to meet the necessity, it is imperative for them to have employees who can sense the current needs and launch new business with the company’s resources. Employees who respond to the expectation of the organization are also capable to work with a connection with society.

【訳】
2017年に民間調査機関がおこなった調査によれば、23%の企業が社員の副業を認めており、その数は増え続けています。理由としては、既存のビジネスモデルが通用しなくなり、事業の多様化や新規事業の開発を急務とする企業が増えていることがあります。これらを実践するために、時代のニーズをいち早く感じ取り、自社の持つリソースを用いて新事業として立ち上げることができる社員が必要となります。この組織側のニーズに応える社員は、社会とつながる働き方ができるということです。

経営学には、dynamic capability ダイナミック・ケイパビリティという概念があります。ビジネスを取り巻く環境変化をいち早く察知し、環境に合わせて企業のリソースを再構築・再編成する経営能力のことです。そのひとつの要素がsensing(環境変化を)いちはやく感知する能力です。

「副業」はa side job、a side jobなどいろいろな言い方があります。「副業で収入を得る」ならばmake money on the side ともいえます。

Employees who just work under the direction of their superiors in a traditional business model do not need to have social connections, personalities, or diversity. However, the traditional ways of working are no longer effective in an era of major paradigm shift of Japan’s society, along with a shrinking workforce and difficulty in securing human resources, as well as the rapid evolution of new technologies, including AI, that are replacing human work.

【訳】
以前からのビジネスモデルをただ上からの指示を受けてこなしていく社員ならば、社会とのつながりや個性、多様性などは必要ありません。しかし労働人口の減少が続き、人的リソースの確保が難しくなるなど、日本社会全体が大きなパラダイム・シフトにあります。さらにAIを含めた新しいテクノロジーの急激な進化が人間の仕事を代替する変化の時代には、従来の働き方では成果が出せないのです。

paradigm shift パラダイム・シフトとは、それまで長きにわたり当然のこととして受け入れられてきた価値観や考え方が劇的に変化することを指します。なお paradigmは「規範、範例」を意味します。

Companies expect that their employees will build a new network with a completely different field and bring new ideas into the organization through their side business. Then, companies will increase the number of “intrapreneurs” who can create new businesses with different stakeholders. Such an intrapreneur is not only the center of innovation in an organization that needs to change, but also the catalyst that revitalizes the organization.

【訳】
企業は、社員が副業を通じてまったく別の領域とのネットワークを構築したり、新しい発想を持ち込んだりすることを期待しています。そうすれば、これまでとは異なるステークホルダーと新たな事業を作り出せる社内起業家のような社員を増やすことができます。このような社員は、変革を求められる組織内においてイノベーションの中心となるだけでなく、組織を活性化させる要因となります。

Intrapreneur は「社内起業家」。組織にとどまりながら起業するスタイルは実は企業にとってもメリットが高いとして、導入する企業も増えています。

catalystは「触媒」ですが、一般に、何かの反応を促進させる要因、または単に「きっかけ」の意味で用いられます。

「活性化させる」はenergize (エネルギーを与える)、activate(活発にする)等の単語も使えます。ここでは、従来のビジネスモデルで停滞しつつある組織を再活性化する、という意味をとり、revitalizeを用いています。

The employees will benefit from the new working style themselves. They can make their own life choices and explore a variety of possibilities without being dependent on the organization. In the era when many people live to be 100 years old, you have to think about what you should do in another 30 years, after you retire at the age of 70. By gaining experience of earning an income through the use of your skills while you are still working for a company, you can learn to live independently of the organization.

【訳】
また、このような働き方をすることには、社員自身もメリットがあります。組織に依存せず、自分の人生の選択と多様な可能性を模索できるという点です。人生百年時代にあっては70歳で退職してもさらに30年どうするか考えなければなりません。自分の持っているスキルを使って収入を得るという経験を働き盛りのうちからしておくことで、組織に依存せずに生きていく力を身につけることができます。

benefit fromは「~から利益を得る」です。

多様性×多面性が価値を創る

In the future, it will be taken for granted that a person has multiple jobs. Instead of belonging to a single organization, a person may work for several companies. The evolution of IT has made it possible for people to share a lot of information even when they are not physically in the same place. People live in a different area, have several jobs, and at the same time, are connected with one another via information. It means that we have more aspects of diversity of connecting with society.

【訳】
今後はひとりで複数の仕事を持つことが当たり前になるでしょう。ひとつの組織に属するのでなく、複数の仕事を掛け持ちすることもありそうです。ITの進化は物理的に人と人が同じ場にいなくとも多くの情報を共有することを可能にしました。一人一人が住む地域が異なり、いくつかの仕事を持ちながらも情報部分ではつながっている。これは、社会とのつながり方の多様性が大きくなることを意味します。

take it for granted that~は「~を当たり前に思う」です。

コロナ禍を経て、ここに書かれている事柄はまさに現実となりました。

In this way people work, individual skills are shared with society, which leads to a great deal of mutual awareness and stimulation, and to the creation of various networks. It will have a significant impact on the relationships with communities, known as the “population-relationship.” In Japan, this new way of working will create new types of businesses, business areas, and services that have never existed before, as a result of the success of companies and people engaging in this new working practice.

【訳】
このような働き方においては、個々のスキルが社会とシェアされ、相互の気づきと刺激をもたらし、様々なネットワークを生み出します。これは関係人口と呼ばれる地域との関係性に大きな影響を与えていくことになります。今後、日本でもこのような新しい働き方による企業や人々の活躍によって、これまでにはない業態や事業領域、サービスなどが次々に生み出されていくでしょう。

population-relationship 関係人口とは、総務省のサイトによると、「移住した『定住人口』でもなく、観光に来た『交流人口」』でもない、地域と多様に関わる人々を指す」と説明されています。

『関係人口』ポータルサイト (soumu.go.jp) 地域内にルーツがある、何らかのかかわりを持っている、行き来がある、といった多様な人たちが地域への思いを共有しつつ、地域づくりに参画することが求められているのです。

人生100年時代といえば、リンダ・グラットンの『ライフ・シフト』が話題になりました。原書は L. Gratton,『 THE 100-YEAR LIFE:Living and Working in an Age of longevity.』 夏休みの一冊にいかがでしょうか。

今月はここまでです。また来月お目にかかりましょう。