記事のポイント
①「良いブランド」とは何かを考える連合組織が立ち上がった
②設立したのは中川政七商店で会長を務める中川淳氏(13代 中川政七)
③9ブランドが参画、相互研鑽と相互扶助を軸にブランド間で連携を図る
中川政七商店の会長を務める中川淳氏がこのほど、ブランドの「信頼」を追求するための連合組織を立ち上げた。ブランド間で連携を図り、世の中から信頼される良いブランドを追求していく。あんパンの元祖「銀座 木村屋總本店」やスタートアップブランドなど9ブランドが集まった。(オルタナS編集長=池田 真隆)

このほど中川氏が立ち上げたのは、PARaDE(パレード)という名称の組織だ。ブランドの思想・哲学を体現した9ブランドが集まった。
中川政七商店を筆頭に、あんぱんの元祖「銀座 木村屋總本店」、スタートアップのトラベルブランド「moln」などだ。「良い会社・ブランド」を追求すべく、各ブランドで連携を図る。
各ブランドの取り組みを発信するメディア運営やポップアップストア、トークイベント、工場への訪問ツアーなどを開いていく。
■消費者の「ものさし」は「ライフスタンス」へ
この構想は、消費や生産の現状に対する「かすかな違和感」から生まれたという。中川氏は、消費者が製品を選ぶ「ものさし」が変わってきたと説明する。
「プロダクトへの安心感や、ブランドが示すライフスタイルへの憧れ・共感から支持されていた。こうした時代を経て現在は、ブランドの『ライフスタンス』に信頼を寄せるようになった」
ライフスタンスとは、企業やブランドのビジョンや思想、哲学を指す。企業運営やブランドには、ライフスタンスが生む信頼が重要だと強調した。
中川氏は、「利益至上の資本主義や地球環境が限界を迎えている今、これからのあるべき企業の姿を考え続けてきた。株主ではなく、お客様はもちろんスタッフやサプライチェーン、ひいては社会や地球に対しても配慮したものづくりと流通を目指さないといけない」と話す。
パレードが定める良い会社・ブランドの定義は、「地球環境・社会・ユーザー・サプライチェーン・社員に対して、真摯な配慮をしたものづくりと流通をしていること」。参画企業・ブランドは随時募集している。
9月22日には東京・渋谷でトークイベントを開く。歴史的視点/Bコープの視点からいい会社を考える。
登壇者は、「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」を運営するCOTENの深井龍之介CEO、『B Corpハンドブック よいビジネスの計測・実践・改善』を上梓したバリューブックスの鳥居希取締役。ファシリテーターは『パーパス 「意義化」する経済とその先』を上梓した、Takram ビジネスデザイナー・PARADE 取締役副社長の佐々木康裕氏が務める。