記事のポイント
- SBTiは22年9月、「森林・土地・農業」分野に特化したガイダンスを発表
- Forest, Land and Agriculture Guidanceの頭文字から「FLAG」と名付けた
- 同分野は温室効果ガスの排出量が全体の22%に及び、気候変動リスクも高い
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SBTi(科学的根拠に基づく削減目標イニシアティブ)という組織がある。温室効果ガスについて科学的根拠に基づく削減目標を設定して、企業に対する認証を実施している。(新語ウォッチャー=もり ひろし)

この組織では排出分野ごとに目標設定の手引を策定しているが、2022年9月に「森林・土地・農業」分野の手引としてFLAGガイダンス(Forest, Land and Agriculture Guidance)を発表した。
FLAG分野は温室効果ガスの排出量が全体の22%に及ぶ一方、気候変動のリスクに真っ先にさらされる分野でもある。
同分野が直接関係する産業には森林、紙製品、食品生産(農業・動物)、食品・飲料加工、食品・主食小売、タバコがある。
手引の大きな特徴は、これまで考慮されていなかった、①土地利用変化による排出、②土地管理による排出、③炭素の除去・貯蔵、という要素を目標に取り込んだことだ。
①には森林伐採など、②には家畜のゲップなど、③には森林再生などの要素が含まれる。
2023年5月以降、同目標の設定企業のうち該当企業は、FLAG目標も非FLAG目標とは別に設定・報告を行う必要がある。