日本のSDGs達成度は世界21位、男女格差は125位に後退

「SDGs達成度ランキング」「ジェンダーギャップ指数」「世界競争力ランキング」が相次いで発表された。日本のSDGs達成度ランキングは166カ国中21位、男女格差は146カ国中125位、世界競争力は64カ国中35位と、それぞれ後退した。（オルタナ副編集長＝吉田広子）

■このままでは世界でSDGsを達成できない

持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)は6月21日、「Sustainable Development Report（持続可能な開発報告書）2023」を発表した。同報告書は、「このままでは2030年までに、SDGsのどの目標も達成できない」とした。特に飢餓や健康、生物多様性、プラスチック汚染などで後退しているという。

SDGs（持続可能な開発目標）達成度ランキングでは、166カ国中1位はフィンランド（スコア86.8）、2位はスウェーデン（スコア86）、3位はデンマーク（スコア85.7）、4位はドイツ（スコア83.4）、5位はオーストリア（スコア82.3）だった。

日本は21位（スコア79.4）で、昨年の19位（スコア79.6）から順位もスコアも落とした。

日本は、昨年に続き、目標5「ジェンダー平等」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動対策」、目標14「海の環境保全」、目標15「陸の環境保全」で最低評価だった。

SDSNは6月21日、SDGsを前進させるために、新たなイニシアティブ「SDGトランスフォーメーションセンサー（SDG変革センター）」を立ち上げ、科学者や事業者、投資家らをつなぐプラットフォームづくりに取り組むことを発表した。

■男女格差、日本は世界125位に後退

世界経済フォーラム（WEF）は6月21日、国別にジェンダーギャップ（男女格差）を分析した報告書「Global Gender Gap Report（世界男女格差報告書）2023」を発表した。146カ国中1位はアイスランド（スコア0.912）、2位はノルウェー（スコア0.879）、3位はフィンランド（スコア0.863）、4位はニュージーランド（スコア0.856）、5位はスウェーデン（スコア0.815）だった。

日本は125位（スコア0.647）で、前年の116位（スコア0.65）から順位を落とした。

日本は、政治（138位）と経済（123位）の分野で、最低ランクの評価を受けている。国会議員（衆院議員）や閣僚の男女比、管理職の男女比に差があることが影響した。

■世界競争力ランキング、日本は過去最低の35位

スイスのビジネススクール国際経営開発研究所（IMD）は6月20日、各国の経営環境などを評価した「World Competitiveness Ranking（世界競争力ランキング）2023」を発表した。同ランキングは、大きく「経済パフォーマンス」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」で評価される。

64カ国中1位は2年連続でデンマーク（スコア100）、2位はアイルランド（スコア99.71）、3位はスイス（スコア99.13）、4位はシンガポール（97.44）、5位はオランダ（スコア95.58）だった。

日本は1997年から順位を落とし始め、2023年版では過去最低の35位（スコア67.84）だった。特に、「公共財政」「経営プラクティス」「貿易」「価格」の評価の低さが影響した。

IMDは、公共財政の堅実性、人的資本やデジタル化への投資、社会課題の解決を成長戦略に落とし込むことなどが、日本の課題とした。