3D技術でパンプスの悩みを解消、ジェンダーレス対応も

記事のポイント


  1. 3Dで靴の木型を製作し、オーダーメイドパンプスを製造するcrossDs japan
  2. ジェンダーレスに対応し、8900万通りの仕様から理想の一足を作れる
  3. 一人ひとりに合わせた靴づくりで、靴の悩みを解消する

3D計測で一人ひとりの足に合わせた靴の木型を製作し、オーダーメイドパンプスを製造するcrossDs japan(クロスディーズジャパン、東京・中央)。ジェンダーレスに対応し、高さやデザインなど8900万通りの仕様から、理想の一足を作れる。メンテナンス付きのサブスク型で、長く履いてもらう環境を整える。(オルタナ副編集長=吉田広子)

3D計測で一人ひとりの足に合わせた靴の木型を製作し、オーダーメイドパンプスを製造するcrossDs japan
3D計測で一人ひとりの足に合わせた靴の木型を製作し、オーダーメイドパンプスを製造するcrossDs japan

3D技術×職人技で、足に合わせた正確な靴づくり

つま先が痛む、靴擦れする、かかとが脱げやすい。幅が狭くて、仕方なくワンサイズ上げて履く――。こうした靴の悩みを解決するのが、crossDs Japanのオーダーメイドパンプス「AYAME(アヤメ)」だ。2020年2月にサービスを開始した。

同社は、一人ひとりの足を3Dスキャナで計測し、3Dプリンタで専用の靴型を製作している。そのため、「長さ」や「幅」だけでなく、左右の違い、かかとの丸みや親指の爪の厚さ、土踏まずの形まで、靴型に反映できる。

この靴型をもとに、ベテランの靴職人が伝統的な製法で最終製品に仕上げる。計測から完成までの期間はおよそ2カ月だ。

3Dで靴の木型を製作し、職人が靴に仕上げる

crossDs japan社長の諏訪部梓さんは「足の形状は一人ひとり違うのに、大量生産された靴には『長さ』と『幅』の指標しかない。パンプスで足を痛めてしまうのも無理はない」と話す。

「靴づくりはこれまで、職人のカンや経験に依存し、俗人化していた。せっかくオーダーメイドで靴を作っても、足に合わないことも少なくない。当社は、3Dを活用した精度の高い計測や木型作りに、職人の技術が加わり、一人ひとりの足にフィットした靴作りを実現した。履かれない無駄な靴を減らすことにもつながる」(諏訪部さん)

諏訪部さん自身も勤務中はヒールのあるパンプスで過ごす。「足に合ったパンプスであれば、負担は感じない。むしろ、革靴よりも締め付け感もなく快適だ」。

選べる仕様は8900万通り、サブスクで長く履ける仕組みを

ヒールの高さ、つま先や履き口の形、色、アウトソールなど8900万通り仕様を選べ、理想の一足が作れる

靴のデザインには、自分の好みを反映できる。ヒールの高さ(フラット、3cm、5cm、7cm)、つま先や履き口の形、色など8900万通りから、理想の一足が作れる。素材の持続可能性にもこだわり、食用となった家畜の革を有効活用したものと、害獣駆除されたエゾシカの革の2種類を用意している。

パンプス以外にも、革靴やスニーカーなども展開。男性がハイヒールを注文したり、女性がかっこ良い靴を求めて紐靴を注文したりすることもあるという。ジェンダーレスに対応できるのも、crossDs japanの魅力の一つだ。

通常は数十万円ほどするオーダーメイドシューズだが、アヤメでは、パンプスの場合、サブスクリプション型で、月額約6000円で提供する(2023年6月現在)。12カ月で所有権を得られるので、実質1足約7万円の計算だ。サブスク期間はヒールリフト(底)や中敷きの交換、傷の修理などを無料で受けられる。

足に合った靴が外出するきっかけに

諏訪部さんは「靴を履いた瞬間、感動して喜んでいる姿を見るときがうれしい」と語る。

ある高齢の女性は、靴を履いて歩くと足が痛み、外出するのが億劫になっていた。そんなときにアヤメに出合い、「出かけるのが楽しくなった」という。病気で足がむくんでいた女性は、足のサイズが左右で違ったが、アヤメの靴は左右それぞれにフィットした。

「ぼろぼろになって、修理のために戻ってきた靴を見るのが楽しい。『これだけ履いてくれたのだ』『ちゃんと役に立っているのだ』ということが実感できる。靴のフィードバックをもらえるのもうれしい」(諏訪部さん)

同社は今後、靴づくりだけではなく、「足に負担のない歩き方」も研究していきたいという。足の悩みを解決する挑戦は続く。

オーダーメイド3Dシューズブランド「AYAME(アヤメ)」は、オルタナとCSR経営者フォーラムが共催する「サステナブル・セレクショ2022」の三つ星に選ばれました。「サステナブル・セレクション2023」のエントリーは6月23日までです。ぜひご応募ください。

yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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