CEOが自社のCSR・サステナビリティについて語る――下田屋毅の欧州CSR最前線(40)

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今回が13回目となる「レスポンシブル・ビジネス・サミット」に筆者は参加した。これは、英国エシカルコーポレーションの主催で、5月19日~20日とロンドンで開催され、毎年約400人が参加する大きなイベントだ。このイベントは、特に企業のCEO、副社長、CSO(Chief Sustainability Officer)などがスピーカーとして参加するものだ。

これらのスピーカーは、各企業から招待された52人で、その内訳は、CEOが12人、副社長2人、CSOは3人、CSR部長20人、他が15人である。それぞれが自社のCSRおよびサステナビリティに関する考え方や取り組みについて、パワーポイントを使用せずインタビュー形式で自らが語るというもので、非常に興味深いものであった。

今回の主だった大企業からのCEOの出席は、英国スーパーマーケット王手の「セインズベリー」、南アフリカを中心として世界的なビール・飲料会社の「SAB ミラー」、タイルカーペットの世界的企業である「インターフェイス」などだ。

各社CEO自らが語る、CSRに関する考え方

英国スーパーマーケット王手のセインズベリーのCEO ジャスティン・キング氏は、セインズベリーの「20×20 サステナビリティプラン」について語った。

それは「我々が、20×20 サステナビリティプランの目標を作成した理由は、サステナビリティの観点から、非常に多くのことを実施していたが、それらを念頭に置いて、より明確な目的地が必要と感じたからである」と発言。

「我々が2030年の目標を設定するなら、顧客とのコミュニケーションの点では、顧客は我々が真剣ではないと思うだろうし、彼らも今すぐ行動する必要がないと思ってしまう。この点で2020年はちょうど良い時期の目標だ。我々が今何か行動を起こせば、異なる結果をもたらすことができる」と続けた。

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下田屋 毅(CSRコンサルタント)

欧州と日本のCSR/サステナビリティの架け橋となるべく活動を行っている。サステイナビジョン代表取締役。一般社団法人ASSC(アスク)代表理事。一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会代表理事。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。執筆記事一覧

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