ODAが始まり70周年、国際協力は「新たなステージ」に

記事のポイント


  1. 2024年は政府開発援助(ODA:国際協力)が始まって70周年の年だ
  2. 1954年から途上国への支援を始めたが70年後の24年、象徴的な動きが起きた
  3. 国際協力の新たなステージが幕を開けようとしている

皆さんは、今年が政府開発援助(ODA:国際協力)が始まって70周年になることをご存じだろうか。戦後の復興期の日本は、1954年から途上国への支援を始めた。70年後の2024年、象徴的ともいえるいくつかの動きが生まれていることにとても期待している。(特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会代表理事=鵜尾 雅隆)

今年の春、外務省主催で有識者懇談会が開催された。「開発援助に民間資金を動員する」ことをテーマに、外務相も参加のもと金融機関や財団などの関係者が集まって、多様な検討がなされた。

この背景には、日本のインパクト投資残高が11兆円を超え、金融庁のインパクトコンソーシアムに多様な金融機関や企業が参加する状況になっていることがある。その民間資金による社会課題解決の盛り上がりを活かすための政府開発援助の役割国際協力をするかに焦点をあてた議論を行ったわけである。

今日、ODAは世界全体で約33兆円。大きな金額だが、インパクト投資は200兆円に至りESG投資は4000兆円にも至る。そうした中で、ODAがその中だけで閉じてプロジェクトを行うだけでよいのか、ODAが民間資金の触媒的な役割を果たしていくべきではないかという議論が世界的に起きている。

多くの諸外国の援助機関はこうした民間資金に対する触媒的な役割を果たすことに力を注いでいる。

インパクト投資も課題があり、本当にイノベーションやインパクトを生み出すためには、ブレンデッドファイナンシング(寄付や政府資金と投資の融合)が必要不可欠である。

■ODAは何ができるか

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鵜尾 雅隆(日本ファンドレイジング協会代表理事)

連載:社会イノベーションとお金の新しい関係 日本ファンドレイジング協会代表理事。国際協力機構、外務省、米国NPOを経て、ファンドレイジング戦略コンサルティング会社ファンドレックス創業。寄付、社会的投資の進む社会を目指して日本ファンドレイジング協会を創設。著書に『ファンドレイジングが社会を変える』など。

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