記事のポイント
- 茨城県が不法就労の「通報報奨金制度」を創設する
- 人権NGOなどは、監視構造を促し、差別を助長しかねないと懸念する
- 県は、3月25日までパブリックコメントを受け付ける
茨城県がこのほど、外国籍住民が非正規で働いている事例の情報を募り、報酬金を渡す「通報報奨金制度」を創設すると発表した。これに対し、人権NGOなどは、監視構造を促し、差別と分断を助長しかねないと懸念を示す。県は、3月25日までパブリックコメントを受け付ける。(オルタナ輪番編集長=吉田広子)
■検挙に結びつくと1件あたり1万円
「通報報奨金制度」では、提供された情報が「事業主の不法就労助長罪などの検挙」に結びついた場合、1件あたり1万円の報奨金が支払われる。
茨城県がこうした制度を導入する背景には、不法就労の増加がある。県は2月、「不法就労活動の防止に関する条例(案)」を発表した。人手不足への対応として優秀な外国人材の受け入れを進めてきた一方で、不法就労者が増加しているためだ。
県によると、不法就労者数は3年連続で全国最多となった。さらに直近5年間(2021~2025年)の外国人摘発人数は、全国ではピーク期(2001~2005年)に比べて4割減少しているのに対し、茨城県では45%増加しているという。
県は、県職員による在留資格の確認強化なども検討したが、法的制約により実施が難しいと判断し、通報制度の導入に踏み切ったと説明する。
県は、「情報提供は事業者に関するものに限定し、個人に関する情報は受け付けない」「匿名通報は不可」とするなど、制度運用には配慮すると説明する。「排外主義や差別の助長につながるとの批判はまったく当たらない」との認識を示している。
(この続きは)
■地域社会に監視と分断をもたらしかねない
■不法就労の問題の背景には構造的な要因

