記事のポイント
- 米ギャラップ社は「グローバルワークプレイスの現状2026年版」を公表した
- 「従業員エンゲージメント」が最も大きく低下したのは、インドのマネージャー層だ
- エンゲージメント低下は生産性低下に影響すると警鐘を鳴らす
米ギャラップ社は2026年4月8日、「グローバルワークプレイスの現状2026年版」を公表した。2025年の「従業員エンゲージメント」は、2020年以来最低水準となる20%と、2年連続で低下した。日本は1ポイント上昇したが、インドのマネージャー層は8ポイントの低下と、世界で最もエンゲージメントが下がった。レポートは、エンゲージメントの低下は、生産性の低下に影響すると警鐘を鳴らした。(オルタナ総研フェロー=室井孝之)

米国で世論調査及びコンサルティングを行うギャラップ社は2026年4月8日、「グローバルワークプレイスの現状2026年版」を公表した。エンゲージメントやストレスについて世界中の従業員の声を捉えたレポートだ。
2025年の「従業員エンゲージメント」は、2年連続で低下し、2020年以来最低水準の20%となった。世界経済に、約10兆ドル(約1590兆円)の生産性の損失を生んだ。
最もエンゲージメントが低下したのが、インドを中心とする南アジアのマネージャー層で、8ポイントの減少となった。組織のフラット化ならびにマネージャーの割合が減少しており、雇用主が管理職を削減していることが背景にある。インドではAIの導入により、ITセクターでの採用が大幅に減速し、中堅および上級職の削減も見られた。
米国のデータによると、AI関連での雇用喪失懸念が高まっている。
ギャラップ社の調査によると2026年第1四半期、米国の従業員の18%が、自動化やAIなどの技術革新により、今後5年間で自分の職が「非常に」または「ある程度」失われる可能性が高いと答えている。
AIを導入する組織ではその比率は23%に上昇している。特に高い業界は、金融(32%)、保険(32%)、テクノロジー(31%)などだ。
ドイツのギャラップ社調査では、AIを使用する組織において、ドイツ人従業員の19%が、自動化やAIによって5年後に職が失われる可能性が「非常に」高い、あるいは「ある程度」高いと答えている。
従業員エンゲージメントは、仕事や職場に対する従業員の熱意と関与を反映している。基本的なニーズが満たされ、貢献の機会、帰属意識、学びや成長の機会が得られると、従業員はエンゲージメントを高める。
「従業員のエンゲージメントが高い組織は、混乱をよりうまく乗り越える傾向がある。AIの時代において、生産性の向上は部分的に個々の労働者がこれらのツールをどれだけ効果的に活用するかに依存する。エンゲージメントの低下はこれらの成果を蝕む。大幅な低下は熱心な同僚の成果を損なう可能性がある」とレポートは警鐘を鳴らした。



