新型コロナウイルスが急激に世界中に広がって、私たちの健康や暮らしを直接脅かし、経済に打撃を与えています。
この危機がいつまでどう続くか見通せなくて、憂鬱な気分になりがちですね。でも、モンシロチョウの飛ぶ春キャベツから、このあと夏野菜づくりへと移っていくであろう畑の風景は、自然のもとで作物が変わらず育ち、恵みをもたらしてくれるという安心感を与えてくれます。
心配なニュースといいニュース
新型コロナウィルス感染症は、人畜共通感染症、つまり動物から人間に伝染する可能性のある病気の一つです。今世紀に入ってからだけでもSARSやMERS、鳥インフルエンザなどいくつもの人畜共通感染症が新たに発生しており、森林破壊などに伴って、今後も頻繁に発生する可能性があります。
でもそれは、私たちは、農業の方法や食べ物をより安全な方向に変えていくことで、その発生の可能性を減らしていくことができる、ということも意味しています。
農業を健康にすることは感染症のリスクを下げること
野生の森を切り開く食肉生産
未知のウイルスに人が遭遇し、感染の発端となる機会は、人間による野生生物の生息地や森林の破壊とともに増加します。これには、今日の食料生産、とくに工業型の食肉生産のモデルとも深く関わっています。
たとえば、パーム油や、カカオ、コーヒーのプランテーションのために自然の森林が大規模に破壊されることは、そこに存在していたウイルスに人が遭遇してしまうリスクの一つです。また、森林を伐採して広大な家畜飼料(遺伝子組み換え大豆など)を栽培したり、森林を開拓して肉牛などの放牧地にする、という工業型畜産モデルは、未知のウイルスに遭遇する危険だけでなく、食料生産に由来する二酸化炭素の排出量の増大にもつながっています。
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