日本企業の温暖化対策ランキングからみえてきたこと

WWFは、独自プロジェクト「企業の温暖化対策ランキング」の下で、製造業を中心に企業各社の取り組みが真に実効性のあるものであるかを業種横断的に評価してきた。その結果、素材産業の多くやエネルギー関連業種において、情報開示の面では ある程度取り組みレベルが高まっている反面、戦略や目標の策定の面では、全般的に取り組みが遅れている実態が浮き彫りとなった。TCFD提言に沿って、将来にわたる事業活動の持続可能性を示す上でも、まずは短期志向から早急に脱却し、2030年や2050年、2100年といった長期の視点に立つことが重要である。(WWFジャパン)

はじめに
WWFでは、2014 年より「企業の温暖化対策ランキング」プロジェクトを実施している。環境報告書やCSRレポート、統合報告書などの開示情報をもとに企業の取り組みを評価し、その特徴や課題などをランキングとともに報告書としてとりまとめてきた。

残念ながら、日本は国レベルでは気候変動対策が停滞気味であるが、企業の取り組みがその影響を受けることなく、ESGを重視す る投資家からも高い評価を得られるよう後押しすることが、本プロジェクトの目的である。

パリ協定の下で、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが世界で加速する中、実効性の高い取り組みとして企業には①長期的視点、②ライフサイクル的視点、③再生可能エネルギーへの積極性が強く求められている。

これらを十分に深掘りしていれば、気候変動対策に関する外部からの評価・格付けや情報開示に関する様々なガイドラインにも対応できるといっても過言ではない。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #パリ協定#脱炭素

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