JCB復興支援、「障がい福祉」の新たなモデルづくり

2011年の東日本大震災発生後、JCBは『「5」のつく日。JCBで復興支援』を立ち上げ、被災地のさまざまな活動を支援してきた。5月までの「5日」「15日」「25日」にJCBカードを利用すると、買い物1件につき1円が復興支援活動に寄付される仕組みだ。支援先の一つ、特定非営利活動法人ポラリス(宮城県山元町)の田口ひろみ代表理事は、「障がい福祉」の新たなモデルづくりに挑戦し続けている。(オルタナ副編集長=吉田広子)

■ 震災後の障がい者支援に奮闘

ポラリス代表理事の田口ひろみさん

宮城県最南端に位置する山元町は、イチゴが名産の海沿いの町だ。

2011年3月11日に東日本大震災が発生すると、大津波が町を襲った。当時、山元町の社会福祉協議会職員として障がい者の就労支援施設や地域生活支援事業の管理を担っていた田口さんは、利用者約20人とともに近くの避難所に避難。その後、施設は休止し、利用者は自宅に戻ったり、親戚の家や避難所で暮らしたりすることになった。

大震災という非常事態下で、障がいがある本人もその家族も疲弊し、心のケアが必要な人は増えた。しかし、町に精神科はなく専門家も少ない。

そこで、精神保健福祉士の資格を持つ田口さんは、避難所と、施設利用者が身を寄せる実家や親戚の家を訪問し、少しでも体調の悪化を防ぐために朝から晩まで巡回した。幸いだったのは、全国から福祉の専門家がボランティアに駆け付けてくれたことだ。

田口さんは「職員も亡くなるなど、それぞれが精一杯で、助け合う余裕がなかった。そうしたなかで、全国から思いを持って応援に来てくれた障がい者支援団体の専門スタッフ、精神科クリニックの医師やワーカーなど、たくさんの人に支えてもらった」と振り返る。

こうした支援者らの存在は、障がいがある利用者にも影響を与えた。「優しさに触れ、受け入れられることで社会性が育まれてきた。支えてくれる人の大切さを実感した」(田口さん)。この経験はいまの活動にもつながっているという。

■ 地域の一員として支え合う仕組みを

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2020年5月7日(木)9:00

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