『地球に住めなくなる日』著者インタビュー(中)

新型コロナ禍はこれまでに全世界の感染者500万人以上、死者30万人以上の大パンデミックになった。『地球に住めなくなる日「気候崩壊の避けられない真実」』(NHK出版)の著者であるデイビッド・ウォレス・ウェルズ氏は、各国の新型コロナ対策が、気候変動対策のヒントになると主張する。(聞き手:オルタナ編集長・森 摂、編集協力:野口知世)

■ 新型コロナ対策が気候変動対策のヒントに

――新型コロナでは米国でも10万人以上の死者を出しました。「ポストコロナ」と言われる今年の夏からは世界がどのように変わると思いますか。

取材はオンラインで実施した

相互依存関係にあるグローバル経済では一国の影響が他国にも及びやすいです。中でも、中国と米国は世界経済において絶大な影響力があるので、両国による世界経済への影響は大きいです。

各国の対応をみると、2つの側面が見えます。良い面は、世界共通でどの国においても国民の団結力が見られること。皆が家族や自分の命を守るために外出を控えるなどは、かつてなかったことです。全世界が共通の危機感をもち、運命共同体のような感覚を持てるという証明は、今後の気候変動への取り組みを考える上でとても励みになります。

2つ目には、前例がないほど、各国政府が経済回復のために気前のよい政策や政治努力を行ったことである。デンマークでは政府から賃金の80%が支給され、米国では政府の支援金で中間層の収入が増え、パンデミック前よりも良い生活を送っています。

このことは各国政府の気候変動対策においても期待できます。気候変動対策も多額の公共投資が必要となるからです。このような大衆支援策は、これまで中道左派的/革新的と言われ、公的支出を増やすために敬遠されていましたが、緊急事態下では自然に受け入れられています。

同時に、コロナで市民や社会が疲弊してしまい、普段の日常を取り戻すことを切実に願います。新しい取り組みに否定的で、エネルギーや資源をつぎ込む意欲が失われている側面もある。そういった悲惨な経験をしている国では、投資は冷え込むかもしれません。

科学者によるとコロナ後は、新しい文明や革新的な変化が求められている。電気(発電)に始まり、生活のインフラや農業分野など全てのセクターにおいて変化が求められています。

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2020年5月29日(金)9:00

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