世界で代替肉ブーム 環境抑制に期待

■世界のソーシャルビジネス 北米編 米国

世界中で代替肉が話題になっている。大手ファストフードチェーンでの取り扱いや、米代替肉メーカーの上場は特に注目を浴びた。代替肉ハンバーガーは今年に入って約2億2800万個売れ、売り上げは1年前と比較して10%の伸びを示す。代替肉は、健康や動物福祉の向上はもちろん、環境負荷を抑えるものとして期待されている。(クローディアー真理)

エンドウ豆のタンパク質でできたビヨンド・ミートの代替肉を使ったケバブ料理 ©Beyond Meat

ニールセンによれば、米国における代替肉の売り上げは2018年に24%増を記録した。前年の6%増や、同年の畜肉の売り上げの2%増と比較すると、成長度は明白。ブームの牽引役は、インポッシブル・フーズとビヨンド・ミートの2社だ。インポッシブル・フーズはバーガーキングなど、ビヨンド・ミートはKFCなどで販売され、消費者の関心を集めている。

投資家も代替肉を高く評価する。ビヨンド・ミートは5月に米ナスダックに上場。取引初日に公開価格から一時192%高くなり、話題を呼んだ。一方、ユニコーン企業であるインポッシブル・フーズも同時期にシリーズEとして、3億ドル(約320億円)の資金調達に成功した。

温暖化を助長する畜肉

mari

クローディアー 真理・ニュージーランド

1998年よりニュージーランド在住。東京での編集者としての経験を生かし、地元日本語月刊誌の編集職を経て、仲間と各種メディアを扱う会社を創設。日本語季刊誌を発行するかたわら、ニュージーランド航空や政府観光局の媒体などに寄稿する。2003年よりフリーランス。得意分野は環境、先住民、移民、動物保護、ビジネス、文化、教育など。近年は他の英語圏の国々の情報も取材・発信する。執筆記事一覧

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