企業の「CSO連携」にマッチングツールの活用を

記事のポイント


  1. 企業が社会課題の解決に向けてCSOと連携することは重要だ
  2. CSOとの連携を考える企業向けに、新たなマッチングツールが生まれた
  3. 自社に最適なNPO/NGOを探しだし、共創企画も提案する

企業が社会課題の解決に取り組む際のパートナーとして、NPOやNGOなどの市民社会組織(CSO)を選ぶことは有益だ。CSOが培った専門的な知識や現場での活動による経験やネットワークなどを活かすことで、一企業のポテンシャルを越えた取り組みに発展できる。日本でCSOと企業の連携をより強めていくことは、2030年に目標年を控えたSDGsの達成にも大きく寄与することにもなる。企業が「CSO連携」に取り組む際にお勧めのマッチングツールを紹介する。(伊藤恵=サステナビリティ・プランナー)

最適なCSOを探せない企業は多い

企業とCSOが連携する際の最初の壁は、企業側が世の中にどのようなCSOが存在するかを把握できていないことだ。自社が取り組むべき社会課題に対して、力を発揮するCSOを探したくても、その術を持ち合わせている企業は多くない。

パートナー候補のCSOを見つけられたとしても、その団体が本当に最適なのか比較検討がしにくい。企業とCSOで共通言語がないため、対話がうまく進まないという壁もある。

企業は自社の成長や利益を、CSOは社会課題解決を第一に置くという立場の違いも、共創がうまく進まない一因だ。立場の違いを踏まえて相互理解を深めることと、お互いのメリットや価値をどう創造していくのかを話し合うことがまずは大切だ。

企業とCSOのマッチングツール「Social map」

Social mapは、国際協力NGOセンター(JANIC)とEMA(東京・渋谷)が提供する、NGO・NPO約500団体のデータを搭載したWEBコンテンツだ。

団体の基本データ以外にも他団体との比較なども可能だ。業界における団体の位置付けを客観的に把握することもできる。

活動地域のマップや、企業が解決したい課題など、さまざまな視点から団体の検索ができる。Social mapは、企業が信頼できる共創パートナー候補を探すのに強力なツールになるだろう。

しかし、データベース上のマッチングからさらに一歩進んでプロジェクトを共創していくには、企業とCSOの相互理解や円滑なコミュニケーションが不可欠だ。

東急エージェンシー SDGsプランニング・ユニットPOZIでは、EMA社と連携してSocial mapを活用したサービスの提供を開始した。

企業とCSOのマッチングからパートナーシップの構築、そして共創プロジェクトの企画、提案から運営までをワンストップで、トータルにサポートする。

広告会社のSDGs部門として、企業サイドのニーズを熟知したPOZIの知見を活かし、企業とCSO、双方の立場から共創プロジェクトの価値の最大化を目指す。

Social mapには、CSOが自分の組織の課題をデータによって把握し、組織の成長につなげるという側面もある。企業連携が進み、CSOのポテンシャルが発揮される機会が増えれば、CSO自身の力も高まっていくだろう。

そして、より高いレベルで課題解決に向けた企業連携も可能になる。Social mapをはじめとする連携強化の取り組みは、企業とCSOのプラスの循環を、社会全体で起こすきっかけとなるのではないだろうか。

itomegumi

伊藤 恵(サステナビリティ・プランナー)

東急エージェンシー SDGsプランニング・ユニットPOZI サステナビリティ・プランナー/コピーライター 広告会社で企業のブランディングや広告制作に携わるとともに、サステナビリティ・プランナーとしてSDGsのソリューションを企業に提案。TCC新人賞、ACC賞、日経SDGsアイデアコンペティション supported by Cannes Lionsブロンズ受賞。執筆記事一覧

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キーワード: #CSO#NPO

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