豪州、捨てるしかなかった洪水が一石三鳥の大活躍

■小林光のエコめがね(38)■

2月半ば、環境対策の視察と意見交換のため、オーストラリアとシンガポールに行った。主目的は脱炭素対策の最新動向を探ることであったが、ネイチャー・ポジティブに関心を寄せるこの欄では、温暖化対策と自然保護対策のネクサスの観点から、南オーストラリア州での、洪水の有効利用の事例を報告したい。

訪問したのは、南オーストラリア州の州都アデレードから、空港の方へ30分ほど車を走らせた郊外。そこに「オークランズ湿地公園」がある。

(写真1)沈砂池の働きをさせる湿地
(写真1)沈砂池の働きをさせる湿地
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小林 光(東大先端科学技術研究センター研究顧問)

1949年、東京生まれ。73年、慶應義塾大学経済学部を卒業し、環境庁入庁。環境管理局長、地球環境局長、事務次官を歴任し、2011年退官。以降、慶應SFCや東大駒場、米国ノースセントラル・カレッジなどで教鞭を執る。社会人として、東大都市工学科修了、工学博士。上場企業の社外取締役やエコ賃貸施主として経営にも携わる

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キーワード: #生物多様性

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