反対運動の中、福島・鮫川村で除染廃棄物の焼却炉稼働--地権者の告訴騒ぎも

複数いる地権者の同意は得たとされているが、焼却場ではなく「仮置き場」だと説明され、同意書に判を押したこともないとして地権者の1人が環境省と村長、地元の農地組合を相手取り、虚偽公文書作成などの罪で警察に告訴状を提出する事態にまで発展している。

当初、約600トンと発表されていた処理量も、除染対象世帯の減少などを考慮すれば大幅に減るはずだとの周辺住民の指摘を受けて環境省が推計を見直し、「600トンは下回り、20カ月を見込んでいた焼却期間もできるだけ短縮する」と再説明。合わせて焼却予定の稲わらは、最高で1キロ当たり3万4000ベクレルの放射性セシウムを含むことが明らかになった。

最大の問題は焼却灰の処理だが、中間貯蔵施設や管理型処分場は立地のめどすら立っていない。「このまま施設内に焼却灰が山積みになっていくだけだ」と住民の危惧は消えない。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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