雑誌オルタナ76号(2024年3月29日発行)の「漁業トピックス」を紹介します。
■世界の漁業紛争40年で20倍に
世界では、漁場の境界線への侵入や魚類資源の「横取り」などをきっかけに、漁業者間の紛争が絶えない。WWF(世界自然保護基金)によると、世界の漁業紛争は過去40年で20倍に増えたという。
WWFはこのほど、米環境保護団体EDFなどと、漁業が直面する課題を特定する「オーシャンズ・フューチャーズ・プラットフォーム」を立ち上げた。2030年までに海洋資源をめぐる紛争や地政学的緊張が高まる可能性の高い世界20地域を特定する、世界初の試みだ。特に、紛争増加が予測される地域は、北極海周辺海域、東部熱帯太平洋、アフリカの角だった。
今後8年間で、全魚類資源の23%が移動すると予測されており、魚の豊富な地域と乏しい地域で格差が生まれる可能性があるという。
同団体は2025年初頭までに、機械学習モデルを用いて紛争の原因と解決策を予測し、政府・多国間組織などに最適な予防措置を提供していく。
■MSC認証マグロの需要高まる