V ⑦モノの流通から情報の流通への変更:書籍やCDのデジタル化に代表される、モノの流通を情報の流通にすることによる資源利用の削減と事業発展の両立
V ⑧地域人材を活用した流通モデル:途上国などにおける地域人材への教育、資金援助などによるチャネルとしての育成。地域の雇用創出、発展を支援しつつ、新市場の開拓を実現
「競争基盤/クラスターのCSV」の5つの活動モデル
C ①事業インフラの整備:地域の人材育成、社会インフラの整備など、事業を強化するために必要なインフラを整備しつつ、社会の発展を支援。途上国では特に重要
C ②関連業界の育成:流通業者、サプライヤーなど、事業推進に必要な関連業界のプレーヤーを育成し、事業を強化しつつ社会の発展を支援
C ③競争ルールの整備:政策、国際標準、民間認証など、社会にとっても自社事業にとっても有用なルール整備を働きかける、または自ら創り出す
C ④需要条件の創造:社会に役立つ商品の普及を促進するための知識啓発、消費者教育などの実施
C ⑤ステークホルダーとの関係強化:ステークホルダーの抱える社会問題を解決し、ステークホルダーとの関係を強化
V ①~V ④などは、多くの企業で実施可能ですし、ある程度はすでに実施されていると思います。また、V ⑤、V ⑥のサプライヤー関係も、ポテンシャルの大きいところだと思います。
C ①~C ⑤は、途上国でのビジネス展開においては不可欠なものだと思いますし、少し想像力を働かせれば、先進国でも様々な可能性が考えられると思います。
こうしたチェックリストも活用しつつ、できるだけ多くの企業が、社会にとっても自社にとっても価値を生み出す取り組みを実践されることを強く期待します。
【みずかみ・たけひこ】東京工業大学・大学院、ハーバード大学ケネディースクール卒業。旧運輸省航空局で、日米航空交渉、航空規制緩和などを担当した後、アーサー・D・リトルを経てクレアンに参画。CSR/サステナビリティのコンサルティングを主業務とする。
(この記事は株式会社オルタナが発行する「CSRmonthly」第6号(2013年3月5日発行)から転載しました)
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