NPOバンクは市民から自発的に出資してもらい、地域の課題解決のための活動を行うNPOや個人などに融資する「市民参加型の非営利バンク」のこと。いわばNPOに融資するNPOだ。日本には北海道から福岡県まで13ほどの団体がある。
momoにとって最初の融資は、岐阜県郡上市の「NPO法人こうじびら山の家」だった。当時24歳の男性がIターンで移住し、10年来放置されていたキャンプ場を再生し、グリーンツーリズムを誘致するという案件だった。150万円を期間3年で融資した。
このほか、地域に密着した産直型の野菜販売業(名古屋市)や、重度心身障がい児向けのデイサービスを展開するNPO法人への融資などがある。
momoにとって最大の経営資源は「momoレンジャー」と称する20-30代のボランティアたちだ。彼らは、融資先の情報発信や場づくりで支援したり、融資先と出資者をつないで輪を広げるなどの活動をおこなっている。
今年6月には、momoは日本政策金融公庫と組んで、岐阜県のソーシャルビジネス(間伐材から箸製造)事業者に対して融資を実行した。同公庫がNPOと連携して協調融資を実行したのは全国初だったとして話題になった。
木村真樹氏は講演の最後で、NPOなどソーシャル・ビジネスの資金集め策をアドバイスした。個人には「誉感(名誉)」「お得感」をくすぐることが重要と指摘した。法人に対しては、1)人が育つ 2)もうかる 3)宣伝になる--ことを訴求することを勧めていた。