内戦のミャンマー、「未来を創る」サポーターを募集中

サステナX

記事のポイント


  1. ミャンマー全土に広がる内戦は、名知医師が活動するエヤワディ地域にも及ぶ
  2. その中でも現地にとどまり、スタッフ増員や物資調達ルートの強化に取り組む
  3. 継続的な支援活動を支えるマンスリーサポーターを募集している

ミャンマー ファミリー・クリニックと菜園の会(MFCG)の代表理事の名知仁子(なち・さとこ)です。皆さんは自分の命を守るために、林や森、田畑に身を潜めた経験はあるでしょうか。内戦は私たちが活動するエヤワディ地域にも及び、空軍機からパラシュートで爆弾が投下され、人も建物も無関係に壊されています。(ミャンマー在住医師・気功師・名知仁子)

3月3日現在、29名のサポーターが集まった

現地では現在、第9期の徴兵が行われています。対象は男性が18歳から35歳まで、女性は18歳から27歳までです。1月は、旧首都のヤンゴンだけで473名の若者が訓練への参加を強制されました。

エヤワディ地域のある村は3月に4名の若者を出さなくてはならず、村長および副村長だけで対象の若者の名前を書いたくじを引いたものの、まだ結果は公表されていないそうです。その噂を聞いた若者は、兵に取られるのを避けようと村から姿を消しています。

別の村では、3月に7名の若者を送り出さねばならないのに、現在は10名ほどの若者しかおらず、誰もが自分に当たるのではないかと恐怖心で一杯だそうです。

それはそうですよね。ご両親だって自分の息子や娘が十分な訓練も受けず、戦闘地域に送り込まれ、銃弾に当たって亡くなってしまうことを考えただけでも悲しみにくれます。とにかく、逃げてほしい。生き延びて欲しい。その一心でしょう。

捕まれば確実に戦地に送られます。若者は家に帰れない。林や森や田畑の中に身を隠して生活せねばならず、いつ捕まるかわからない状況で恐怖と不安で胸がいっぱいになるでしょう。彼らの心中を想像しただけで、本当に何もできない自分自身がもどかしく、歯がゆいです。

さらに、ミャンマーの物価はロケットが上昇するような勢いで高騰し、国民の生活に甚大な影響を与えています。経済の停滞や国際的な貿易の縮小のために食料品も生活用品も、あらゆる物の値段が上がっています。

そのような現状だからこそ、私たちMGCGのような活動がますます必要です。巡回診療や、手洗い・歯磨きの大切さなどを伝える保健衛生活動を継続し菜園活動も広げていきたいと考えています。

そのためには、看護師や、野菜栽培の専門家などのスタッフを強化したいですし、物資の調達や輸送が非常に難しい中、専門知識を持つ、物資調達管理調整員(ロジステイシャン)も雇いたいと思います。

今後も物価上昇が予想される中、継続的な支援がなければ先々の事業計画を立てられません。前回の投稿でお知らせしたマンスリーサポーターの募集キャンペーンは3月3日現在、目標30名に対して29名にご参加いただけました。皆さまの温かいご協力に、感謝いたします。

キャンペーンは3月31日で終了しますが、その後も引き続きマンスリーサポーターの募集を行います。ミャンマーの若者が夢を持って未来に希望を描きづらい現実があります。それでもMFCGは夢を失うことなく、ミャンマーの住民と共に、ミャンマーの未来を創りたいと願っています。

クラウドファンディングサイトはこちらから
「ミャンマーを決してあきらめない。”医療”と”菜園”で未来を創る」

Satoko Nachi

名知 仁子

名知仁子(なち・さとこ) 新潟県出身。1988年、獨協医科大学卒業。「国境なき医師団」でミャンマー・カレン族やロヒンギャ族に対する医療支援、外務省ODA団体「Japan Platform」ではイラク戦争で難民となったクルド人への難民緊急援助などを行う。2008年にMFCGの前身となる任意団体「ミャンマー クリニック菜園開設基金」を設立。15年ミャンマーに移住。

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キーワード: #SDGs

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