記事のポイント
- 欧州委員会は、循環型経済を進める「エコデザイン規則(ESPR)」の最初の作業計画を発表した
- 製品の耐久性や修理可能性などの情報を、デジタル製品パスポートを通じて消費者に提供する
- まずはアパレル、家具、マットレス、タイヤ、鉄鋼、アルミニウムから始める
欧州委員会は4月16日、域内での循環型経済を進める「エコデザイン規則(ESPR)」の最初の作業計画を発表した。ESPRは製品の耐久性や修理可能性などの情報を、デジタル製品パスポートを通じて消費者に提供することを求めるものだ。計画によると、まずはアパレル、家具、マットレス、タイヤ、鉄鋼、アルミニウムなどの製品グループから実施する。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子)

欧州委員会は4月16日、「持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)」の実施に向けて、2025年から2030年までの作業計画を発表した。
ESPRは、欧州域内市場での、持続可能な製品の流通促進を目的に2024年7月に施行された規則だ。
製品の耐久性、信頼性、再利用・アップグレード・修理・保守・改修の可能性、リサイクル材の含有率、エネルギーや水の使用と効率などのエコデザイン要件を規定し、企業にはそれら情報を、デジタル製品パスポートを通じて消費者に提供するよう求める。
エコデザイン要件は、EUで生産した製品に限らず、EU市場で販売される輸入製品にも適用となる。
参考記事:EUが「サステナブルな製品を当たり前にする」新規制へ
参考記事:EU、「デジタル製品パスポート」の導入で循環型経済を推進
■環境負荷と改善余地の大きい製品から
今回のESPRの作業計画では、優先的に取り組む製品グループと横断的な措置を定めた。
環境への影響が大きく、また改善の余地も大きい製品グループを優先的に取り組む製品グループとして、繊維製品、家具、マットレス、タイヤ、鉄鋼、アルミニウムなどが入った。
一方で、当初想定していた靴、プラスチックやポリマー樹脂については、2030年までの優先リストには含めなかった。
しかし最終的には、EU市場で販売されるほぼすべての製品が対象となる予定には変わりはない。
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■製品ごとに異なる要件求める
■靴、プラへの要件は検討続ける