核燃料サイクル事業、国の関与強めるか 電力自由化控え議論始まる

■全量再処理の妥当性は問われず

「原燃は電力会社から距離を置く必要がある。再処理事業は政策に左右されやすいので、国が政策的に安定な環境を準備すべき」「委員の中に私しか再処理技術者がいないのは問題だ」「原燃は高い技術を有している。技術に疎い経営判断が入らないように」。山名元委員は再処理の推進を「強硬」に主張。辰巳菊子委員のみが再処理に「国民負担が増える」と反対した。

再処理ありきで発足した作業部会だが、そもそも使用済み核燃料を全量再処理する必要はあるのか。日本はすでに47トンものプルトニウムを抱え、核不拡散におけるリスクとなっている。

核燃料にプルトニウムを混ぜて燃やすプルサーマル発電が低調のまま、六ヶ所再処理工場が本格稼動すれば「日本のプルトニウム在庫は爆発的増加を防げない」との懸念もある。再処理しない直接処分(ワンススルー)という選択肢も、再処理自体の是非とともに脇に置かれたままだ。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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