欧州発の循環経済を推進する「エレン・マッカーサー財団」 ――下田屋毅の欧州CSR最前線(45)

現在人類は、限界を考えずに天然資源を採取し使用している。人口が爆発的に増加し、特に新興国を中心に中流層が激増する中で、将来的に資源の枯渇という潜在的リスクが予想される状況下にある。

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「資源の採取、生産、廃棄」という従来の直線的な経済システムから、「サーキュラー・エコノミー」(循環経済)と呼ばれる社会全体の仕組みを変えるという根本的な経済変革が欧州をはじめ世界で叫ばれている。サーキュラー・エコノミーを推進する「エレン・マッカーサー財団」のエグゼクティブ・オフィサーのジョセリン・ブレリオ氏に話を聞いた。(在ロンドンCSRコンサルタント・下田屋毅)

「サーキュラー・エコノミー」のコンセプトには、廃棄物の3R(リデュース・リユース・リサイクル)や、資源の効率的な使用、デカップリング(経済成長を維持しつつ、生産時のエネルギー消費を減らし、多消費の産業構造を改めるもの)、持続可能な生産と消費、再生可能エネルギーの使用、環境負荷を減らす根本的な製品設計や、ビジネスモデルの変更、持続可能な資源調達、リースやシェアなど製品とサービスのイノベーションを起こす新しいビジネスモデルを生み出すことが含まれている。

この「サーキュラー・エコノミー」を推進している欧州の中心的な団体として「エレン・マッカーサー財団」がある。英国ワイト島を本拠地とし、英国チャリティ・コミッションに登録する団体で、「サーキュラー・エコノミー」への移行を加速させることを目的に2010年9月に設立された。同財団は、2005年に当時の単独無寄港ヨット世界一周の記録を更新し世界的に有名となったデイム・エレン・マッカーサーが設立し、その名前が付けられている。

エレン・マッカーサー財団は、(1)ビジネス、(2)分析、(3)教育の3つを主要エリアとし活動している。

1.ビジネス(経済循環のイノベーションの触媒として機能する)

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下田屋 毅(CSRコンサルタント)

欧州と日本のCSR/サステナビリティの架け橋となるべく活動を行っている。サステイナビジョン代表取締役。一般社団法人ASSC(アスク)代表理事。一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会代表理事。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。執筆記事一覧

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