存在感増すアクティビスト、背景に世界的な超カネ余りマーケット

記事のポイント


  1. 世界の金融市場の膨張とともにアクティビストが存在感を高めている
  2. カネ余りと相場上昇で機関投資家マネーがアクティビストに流れている
  3. マーケットが天井を迎えたら、アクティビストらは試練を迎えることに

世界の金融市場の大膨張とともにアクティビストが存在感を高めている。世界的なカネ余りと株式市場の大幅続伸で、アクティビストに流入する機関投資家マネーが増えているからだ。しかしひとたびカネ余りマーケットが天井を打てば、世界のアクティビストたちには大きな試練となろう。(さわかみホールディングス社長=澤上篤人)

世界の金融市場の膨張とアクティビスクトの関係性は

世界の金融マーケットは米国株市場を中心に、1982年8月から40年を超す史上最長の上昇トレンドを続けている。その中でも、世界的なカネ余り現象が、2008年9月に発生したリーマンショック以降一気に加速した。それが世界の株式市場をはじめ金融マーケット全般を大きく押し上げてきたわけだ。

史上最高値を幾度となく更新してきた株高などがもたらした投資評価益のコンスタントな拡大が、世界の投資家を一層のリスクオンに駆り立てている。リスクオン?そう、下落リスクを警戒するよりも、積極的に投資リターンを取りにいこうとする投資姿勢だ。

そういった世界の金融マーケットの大膨張に乗って存在感を高めてきたのが、いわゆるアクティビスト達である。もともと彼らは自分たちの資金をベースに、とんがった株主要求を企業側に突きつけていた。とはいえ、存在感はそれほど大きくなかった。

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アクティビストを支える「もの言わぬアクティビスト」

それが世界的なカネ余りと株式市場の大幅続伸に乗って、年金はじめ機関投資家マネーがアクティビスト達のところへ、どんどん流入してきた。世界の機関投資家たちは巨額の運用資金を背景に、企業の自社株買いなど株価上昇につながるアクティビスト達の要求を全面的にバックアップしてきた。いってみれば、彼らは「もの言わぬアクティビスト」である。

また、ノンバンクと称される各種の投資ファンドにも、生保など金融機関や富裕層の資金が大量に流入してきた。その多くが、アクティビスト達の資金源となっている。

ちなみに、世界のノンバンク全体の資金量は世界の主要銀行の融資残高を大きく上回っている。各国の金融当局のコントロールが効かないマネーが、それほどに巨大化しているのだ。そのあたりが、今後の大きな問題に発展するリスクである。

ともあれ、すさまじい勢いで流入してくる大量の資金をベースに、世界のアクティビスト達は急速に存在感を高めてきた。かつては手持ち資金をフルに回転させていただけだったから、狙いを定めた企業とのやり取りも短期勝負が主体だった。

ところが昨今は、どんどん流入してくる資金を背景にして、大手のアクティビスト達は数年かけた大がかりな株主要求も、平気で展開できるようになってきた。また、一部のアクティビストはいまや投資ファンドなのか区別できないような存在として、大きなM&A案件などにも関与するようにもなってきた。

歯車が逆回転する時は来る

こうして世界的に存在感を大きく高めてきたアクティビスト達だが、かつて史上に例をみない超カネ余り現象に乗って巨大化してきたという面は否定できない。したがって、現在進行形の超カネ余りバブルマーケットがどこかで天井を迎えたが最後、彼らの存在感は一気にしぼむことになろう。

どういうことか? 金融マーケットが崩壊すると、年金などの機関投資家マネーをはじめ、世界の金融機関や富裕層の資金を集めてきた投資ファンドが、こぞって資金を引き揚げ出す。カネ余りマーケットの暴落が大規模であればあるほど、資金流出は急激となる。世界のアクティビスト達にとっても大きな試練となろう。

sawakami

澤上 篤人(さわかみホールディングス社長)

さわかみホールディングス社長。1973年、ジュネーブ大学付属国際問題研究所国際経済学修士課程履修。1980年─1996年、ピクテジャパン(現・ピクテ投信)代表。1999年に日本初の独立系投資信託会社さわかみ投信設立。

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キーワード: #ESG

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