100%自然エネルギーで2050年までに脱炭素社会へ

政府目標の80%削減は最低限可能

WWFが提案するシナリオの一つの大きな特徴は、自然エネルギーの活用の仕方にあります。ここでは、自然エネルギーで電力の全てを賄うだけでなく、余剰電力を活用して製造する水素で、電力以外の熱や燃料需要を満たしていくことを想定しています。これによって、自然エネルギーの発電量が天候や時間帯によって大きく変動することによる余剰の問題を解決し、熱や燃料需要を満たしていくことが可能になります。

実は、電力を100%自然エネルギーで賄うことは、すでに今ある技術の延長線上にあり、実現が十分想定内に入りますが、熱や燃料、鉄鋼などの産業プロセスも含めてすべて自然エネルギーで賄うことには未知数の面があります。

その点、電力部門にガスを残し、現状では代替が難しい分野でガス・石油・石炭の使用を許すブリッジシナリオの「80%削減」は、より実現可能性が高く、最低限2050年80%削減を達成することは十分可能であることが明示されました。

パリ協定「長期戦略」への提言

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #パリ協定#脱炭素

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