ラッシュ、ブランド再構築-社会性と事業の両立明確に

 

すべての社員が、自分の言葉でブランドを語れる企業へ

同社が世界から1000人の社員を集め、大規模な店長会を始めたのには理由がある。ラッシュは1995年、英国南西部の港町プールで生まれた。日本には99年に進出。

しかし2013年頃から、同社の売上高は世界的に伸び悩び始める。原因は、次々に市場を拡大し急成長する中で、ブランドが社内外に正確に浸透していないことだった。

その結果、「動物実験を行わない」や「環境に配慮した製品づくり」という創立から続く理念よりも、カラフルな石鹸を売るブランドというイメージが先行。ラッシュの成長は減速していった。

同社は、2013年から世界的にブランドの軌道修正に着手。外部から人材を迎えるなど社内体制を見直し、創立当時の理念「Fresh Lush Life(『人も動物も地球も、ハッピーで健やかに』の意味)」に立ち返る方針を固めた。ロゴやパッケージ、店舗デザインなども一新した。

同時に、人材育成にも力を入れる。創立者マーク・コンスタンティン氏の「人がブランドをつくる」という考えの下、店頭に立つ社員一人ひとりが、自分の言葉でブランドを語れることを目指した。

だが、文化や言語が異なる49カ国の社員にブランドを浸透させることは容易ではない。さまざまな試行錯誤の末に生まれたのが、サミット形式の店長会だった。

「インストラクション(指示)ではなくインスピレーション(自ら感じて理解すること)で、ブランドを着実に浸透させようと考えた」と小林弥生・ラッシュジャパン取締役 ブランド担当役員は話す。

Lush Digital

ラッシュとチャリティーー社会的企業の原点

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード:
  1. ラッシュ、ブランド再構築-社会性と事業の両立明確に – オルタナ – 経営学
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