宇都宮の小学校、紅茶部が文部科学大臣賞に

そんな、部員の熱と思わぬ成長ぶりが少しずつ話題となり、地元の新聞記事→全国紙掲載→こども向け新聞・教育新聞掲載→全国より見学者あり→紅茶部をテーマにした本を作りたいと出版社が取材など、発足して間もない紅茶部の子どもたちが、アイドル並みに注目されるようになった。

もう1つ、上記の方々が興味を持たれたのは、そのシステム作りであった。つまり、紅茶部に関わる、当社が掲げた「六方よし」の考えだった。

学校・児童・教育委員会・地域・保護者そして当社を加えた6者間に、それぞれメリットがあり、関われるような環境を整備した。

学校は児童の新たな学びの場を外部からもらえ、情操教育にもつながる、児童はまさにその受益者、教育委員会は「放課後こども教室の好事例」としてPRでき、地域は中央地区自慢の活動としての誇りと地域の注目度UP、保護者は見守りの負担だけのような気がするが、無料でプロのレクチャーを受ける事が出来、子供の楽しむ姿を見られるという事が好評。

最後に当社は企業理念を形にする場としての充足感を得ることができ、社員の誇りにもなっているという点だ。

そしてその六者がそれぞれ情報や感動の共有ができている点も、こうして無事故で順調に継続出来ている大きな理由である事は間違いないのと同時に、一番の自慢でもある。

紅茶部のY’s tea 店内での特別レッスンを受ける子どもたち。

以上が紅茶部の成り立ちと活動報告であるが、そのような小さな活動が大きく評価された事は誠に光栄な事である。

最後に、表彰式でスピーチをさせて頂いた後、審査員の皆さんから、以下の評価を頂いた。

「一番分かりやすく、且つ難易度の高い取り組みであった」
「本業をストレートに生かす社会貢献の見本となった」
「紅茶と言う一見難しい商材を見事に応用した」
「地方の中小企業でも、このような波及効果のある取り組みができるという事例として、他社にも元気と勇気を与える」

子どもたちに何とか体験活動の場を提供したいとの一心で取り組んできた事が、子どもたちや地元のみならず、国や他地域、そして他社にも良い影響を与える事ができたと評価いただけた事に感謝の気持ちで一杯である。

創業当時に誓い、企業理念にもなっている「紅茶を通じて人と地域を元気に」が少しだけできてきたかな?と初めて自分を褒めてあげたい――。そんな気持ちになった一日であった。

次なる紅茶部の目標は、歴代の紅茶部の部員を率いて、東京五輪シーズンに、会場或いはキャンプ地にて紅茶でおもてなしをする事だ。目指すはウィーン少年合唱団。

◆参考記事:経済産業省「おもてなし経営」ワイズティーネットワーク
http://www.meti.go.jp/policy/servicepolicy/omotenashi-keiei/kigyousen/pdf/25-04.pdf

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #CSR

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