世界自閉症啓発デー、ヘルプマークへの期待

このようなマークを装着することに賛否両論もあった。デメリットもあるからだ。例えば、知的に障がいがあることをわざわざ知らせて危険に晒されることがあるのではないかという心配もある。地元であれば、1人で買い物に出かけたりすることもあるかもしれない。その時にバッジをつけることによって危険が増すのではないか、という可能性も残念なことだがゼロではない。

こういう助け合うためのマークは国民のほとんどが知っているからこそ意味がある。悪そうな人とマークをつけた人が話していたら、見かけた人は「大丈夫かな?」と心配なら警察に一報するかもしれない。そういう機能が働かなくては意味がない。また、ヘルプマークは発達障がいのある人だけではなく様々な「外見からは分かりにくいが支援や配慮の必要な人」がつけるため、その標的になる可能性も低くなる。マークをつけた人が尋ねて来たら尋ねられた人は心の準備ができるということもある。

もう一つの大きな利点は、海外から来た外国の人がそのマークの意味を知ったらどう思うだろう。「一見して」日本という国の素晴らしさを感じてもらえるのではないかと思う。分かってもらいにくいハンディがある人が言葉の通じにくい国に行った時、つけていれば丁寧に教えてもらうことができるマークがあると知ったら心強くなると思いませんか。そんな素晴らしい社会をこのツールで作ることができるとしたら、どうでしょうか。

オリンピック・パラリンピックまであと2年。日本を訪れる外国人選手や家族に安心して過ごしてもらえるような社会になりたいと思う。今後の周知を急ぐ必要がある。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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