2018年に国が選定した「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」の両方に選ばれた神奈川県は、2019年6月、SDGs推進課を立ち上げた。アップサイクルコンソーシアムは、そのSDGs推進課が担当する事業の1つ。

コンソーシアムでは、県が、「石灰石を主成分とし、プラスチック等の代替素材となるLIMEXを活用したアップサイクルの仕組みづくりを進める」(神奈川県ウェブサイト)という。

具体的には、民間企業や住民が使用したLIMEX製品を、トナーカートリッジ回収のような民間企業の回収スキームや専用の回収BOXなどを利用して、回収・リサイクルできないか検討しているという。

出来上がったリサイクル品は、企業がまた有効に活用する。そのシステムを回すためのサポートを県が行うのである。

確かに新素材の普及には、リサイクルルートの確立は欠かせない。県がサポートすることで、企業も安心してLIMEXを採用し、リサイクルループに参加しやすくなる。

■木や水を使わないが、プラを使うLIMEX

なぜここまでLIMEXが企業や自治体の間で人気なのだろうか。プラスチック代替品としては、プラスチック使用量を減らすことで「脱プラ」を掲げたい企業の要請に応えられるためだろう。

深刻化するプラスチック汚染問題は、企業にとって経営リスクではあるが、同時にビジネスチャンスでもある。

LIMEXを採用することで、プラスチック使用量を半分以下に減らすことも可能なため、「減プラ」を掲げられる。しかし、完全な「脱プラ」とまでは言えない。ポリオレフィン樹脂などのプラスチックを使うからだ。

紙代替品としてのLIMEXは、木や水を使わないことが目新しい。しかし、木を使わない代わりに、石油由来のポリプロピレンなどを使う。そもそも木材チップや水の使用量を減らしたければ、再生紙を使う手もある。

従来のリサイクル関係者は厳しい目

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