コロナ時代こそ「SDGsアウトサイドイン」活かせ

新型コロナ禍の場合には、テレワークや本社機能の分散化、新しい旅行や外食産業の在り方など、大きな経済的・社会的なうねりが到来することが見込まれます。新しい生活様式「ニューノーマル」の裏には、新たな社会ニーズが必ずあるのです。これを見つけるためには、各地域に入り込み、情報を得て、議論を重ね、そして近未来を俯瞰することが重要です。

それが出来る企業は生き残り、出来ない企業は残念ながら消えていく。そんなシナリオが見えています。それは企業の業種や規模を問いません。大企業なら社会ニーズを見つけられる、中小中堅企業は見つけられないーーではありません。中小企業でも、社会ニーズを見つけられる機会は必ずあるのです。

市場のニーズはデータで読み取れます。売上高は数字で把握できるからです。しかし、社会ニーズは「ストーリー/文脈」の形で現れます。気候変動や経済のグローバル化による負のインパクト、今後の格差拡大、サプライチェーンの人権問題ーー。こうしたさまざまな要因が絡み合って、新しい社会ニーズになるのです。

こうした社会ニーズをできるだけ早く察知できるか。それを「イノベーション」(技術革新という意味ではなく)や「トランスフォーメーション」を通じて、事業化できるか。そこが今後の成長の分かれ目だと思います。

最近はDX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉が流行していますが、私はSX(サステナブル・トランスフォーメーション)という流れも来ると考えています。具体的な事例については、次回以降、書いていきます。

森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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