新型コロナ禍の場合には、テレワークや本社機能の分散化、新しい旅行や外食産業の在り方など、大きな経済的・社会的なうねりが到来することが見込まれます。新しい生活様式「ニューノーマル」の裏には、新たな社会ニーズが必ずあるのです。これを見つけるためには、各地域に入り込み、情報を得て、議論を重ね、そして近未来を俯瞰することが重要です。
それが出来る企業は生き残り、出来ない企業は残念ながら消えていく。そんなシナリオが見えています。それは企業の業種や規模を問いません。大企業なら社会ニーズを見つけられる、中小中堅企業は見つけられないーーではありません。中小企業でも、社会ニーズを見つけられる機会は必ずあるのです。
市場のニーズはデータで読み取れます。売上高は数字で把握できるからです。しかし、社会ニーズは「ストーリー/文脈」の形で現れます。気候変動や経済のグローバル化による負のインパクト、今後の格差拡大、サプライチェーンの人権問題ーー。こうしたさまざまな要因が絡み合って、新しい社会ニーズになるのです。
こうした社会ニーズをできるだけ早く察知できるか。それを「イノベーション」(技術革新という意味ではなく)や「トランスフォーメーション」を通じて、事業化できるか。そこが今後の成長の分かれ目だと思います。
最近はDX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉が流行していますが、私はSX(サステナブル・トランスフォーメーション)という流れも来ると考えています。具体的な事例については、次回以降、書いていきます。