ブレマー氏「Gゼロ時代に日本はリーダーシップを」

米国際政治学者イアン・ブレマー氏は12月8日、「Gゼロサミット2020」オンライン基調講演で「コロナが示した国際システムの機能不全」を指摘、「日本のリーダーシップが不可欠だ」と表明した。「世界にリーダーシップが欠けているだけでなく、気候変動、破壊的イノベーションの時代に対応すべき課題解決ルールが決まっていないこともその理由だ」と強調した。(オルタナ総研コンサルタント=室井 孝之)

基調講演に登壇した国際政治学者でユーラシア・グループ社長のイアン・ブレマー氏

同氏は1998年、戦争や政情不安が起きるリスク分析を手掛けるユーラシア・グループを設立、2011年に「国際秩序の仕切り役となる指導国がいなくなった状況」を「Gゼロ」と提唱した。

「Gゼロサミット」は、2017年に日本でスタートした世界的企業のトップマネジメント、政治リーダーが参画し、Gゼロの世界の最前線における課題を論議する場だ。

今年は12月9日~11日にオンライン開催され、世界のリーダーシップの空白に対処し、リーダー同士の再連携と回復に向けた持続可能なロードマップを提供するためのアクションを模索した。

共同議長はイアン・ブレマーユーラシアグループ社長、梶山経済産業大臣、小泉環境大臣、河野行政改革担当大臣、中西日本経団連会長、西村経済再生担当大臣が務めた。

「コロナ後の地政学に関するセッション」「新型コロナ対策における国際連携に関するセッション」、「ジオ・テクノロジーに関するセッション」「サステナビリティに関するセッション」毎にパネルディスカッション、ラウンドテーブルが行われ、世界60名のスピーカーがオンラインで参画した。

世界の「妥協・協力・調整」を訴え

muroi

室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

執筆記事一覧
キーワード: #新型コロナ

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..