原田勝広の視点焦点:途上国の夜明けへ社会的投資

途上国の貧困を削減し社会に変革をもたらす「社会的投資」がいま注目されています。わかりにくい言葉ですが、簡単に言うと、一方的な援助では問題解決につながらない。途上国の社会的課題にビジネスでチャレンジする現地の社会的企業、社会起業家に投資しようという試みです。

12月中旬の土曜日。日本におけるこの分野のパイオニア、2009年に設立されたARUN(アルン)主催でビジネスコンペティションの最終審査会が開かれると聞き、足を運んでみました。世界的にコロナが広がっているとあって東京都内のビル10階にある会場は、ウェビナー、つまりオンラインセミナー用にセットされていました。

「コロナ禍でも世界はひとつ。途上国の社会起業家にエールを!」と銘打たれた今回で3回目のコンペには26か国から104社が応募。アジアが中心ですが、ヨルダン、パレスチナ、そしてアフリカからも応募がありました。分野は農業、教育、環境、ジェンダー、ヘルスケアなどですが、特徴はテクノロジーを活用したビジネスの多いこと。まだ創業から5年以内の新興企業が大半で、何と35%が女性経営者というから驚きます。

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原田 勝広(オルタナ論説委員)

日本経済新聞記者・編集委員として活躍。大企業の不正をスクープし、企業の社会的責任の重要性を訴えたことで日本新聞協会賞を受賞。サンパウロ特派員、ニューヨーク駐在を経て明治学院大学教授に就任。専門は国連、 ESG・SDGs論。NPO・NGO論。現在、湘南医療大学で教鞭をとる。著書は『国連機関でグローバルに生きる』など多数。執筆記事一覧

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