放課後学習で実績のあるカタリバは女川向学館(宮城県)、大槌臨学舎(岩手県)、双葉みらいラボ(福島県)の3か所でコラボ・スクールを開設、子どもの基礎学力育成や、創造力、未来を切り拓く力を養っています。コロナ禍では全国でもいち早く、パソコン支援、自宅でのオンライン学習を導入して話題を呼びました。
3か所で年間延べ25,000人の利用者があり、根気強く、復興支援の中でも最も重要な「人づくり」に力を尽くしています。過去にここで学んだ子が都会の大学に進学しても地元へ戻ってくる動きもあり、東北の将来に明るい可能性を感じさせてくれます。
先駆的な保育支援のフローレンス
病児保育で知られるフローレンスは、被災地で先駆的な保育ソーシャルワークを実践、経済的困難家庭や孤育てへの支援、保育園子ども食堂の実施、さらには、医療ケア児向けのレスパイト支援、看護師を配置しての障害児保育など多様な取り組みを展開しています。
こうした問題は被災地に限りませんが、被災地では特に深刻であり、とりわけ、コロナ禍に見られるように、若いお母さんは苦境にあるだけに意味のある支援だと評価されています。開発されたノウハウは他地域でも成果をあげそうで注目されます。
このほか、復興支援で大きな役割を果たしているキッズドア、トイボックスの活動にも助成されました。
(参考、ハタチ基金10周年サイト=https://www.hatachikikin.com/10th/)
10年の折り返しで助成方針見直し
被災地の子どもたちの成長に大きな貢献をしてきたハタチ基金ですが、折り返しの今、実は大きな曲がり角に来ています。子どもが抱える様々な課題は、直接被災した子ども本人だけではなく、間接的な影響も含め被災地全体の子どもたちにも広がってきたからです。そこで、助成の趣旨と方針を2020年度から見直すことにしました。
具体的には次のように変更となりました。
・支援対象を「震災に起因する課題を抱える子ども」から「被災地の子ども」全体に広げた。
・助成団体の資格・要件を緩和、「東北に拠点を置き20年間継続的に活動できる団体」を削除するとともに、「10年以上」としていた子ども支援活動実績を「5年以上」に短縮した。
・新たに「活動がチャレンジング」であることや、今後の10年先を見据え、「一過性ではない、活動地域にレガシーとして残る活動」であることを助成対象の条件とした。