カーボンプライシングは企業にどんな影響を及ぼすか

第2部では「サーキュラーエコノミーを目指した花王とライオンの協業」というテーマで

ライオンの小和田みどり部長、花王の瀬戸啓二マネジャーからお話しいただきました。

詰め替え製品に使われるフィルム容器は通称パウチと呼ばれ、省資源で高いバリア性を持つ優れた素材です。しかしながら、このパウチに使われるのはプラスチックのベースにアルミなどを蒸着させたもので複合素材と呼ばれます。このようにプラスチックに加えアルミなどを使用した素材は単一素材に比べリサイクルが難しいという課題がありました。

ライオンと花王はこの複合素材をリサイクルし、再びパウチにするいわゆる水平リサイクルに協働して取り組むリサイクリエーション(RecyCreation)を2016年から開始しました。

ゴミだった使用済みフィルム容器を回収し、「おかえりブロック」に再生して地域に届ける仕組みです。フィルムtoフィルムの水平リサイクルはまだ事業ベースには乗っていませんが、基本的な技術は確立しつつあるようです。

事業活動で排出されるCO2の削減にもつながるもので、詰まるところ第1部テーマのカーボンプライシングと密接につながっているということがわかりました。

脱炭素社会の構築など環境問題の解決に向けた取り組みは本業を超えた協業でこそ成果を出しやすいとも言えます。社会の声を聞き、課題を解決していく。そこで新規ビジネスの種を見つけることにもつながるのです。

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山口 勉(オルタナ副編集長)

大手IT企業や制作会社で販促・ウェブマーケティングに携わった後独立。オルタナライターを経て2021年10月から現職。2008年から3年間自転車活用を推進するNPO法人グリーンペダル(現在は解散)で事務局長/理事を務める。米国留学中に写真を学びフォトグラファーとしても活動する。 執筆記事一覧

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