組織運営に「透明性」と「ダイバーシティ」を

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長選考で、その過程の「透明性」が話題になった。組織の意思決定過程が透明になった時、誰が、どんな属性の人がそこにいるのかも問われる。さらなるダイバーシティ推進の仕組みが必要だ。

公開質問状を出したプライドハウス東京(新宿区)

2021年2月3日、JOC臨時評議員会にて、森前会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」等と発言し、国際的にも女性蔑視だと問題となった。

私たちは、オリンピック・パラリンピックの公認プログラムとして運営されている、LGBTなどの性的マイノリティに関する情報発信拠点「プライドハウス東京」のコンソーシアム・メンバーであり、この発言は到底看過できるものではなかった。

翌4日に、森氏は発言を撤回、謝罪したが、プライドハウス東京として、性に関する差別的言動の防止策、対応策について、組織委員会に公開質問状を出している。

組織委員会は後任の会長に橋本氏を選んだが、その選考過程の「透明性」が大きな話題になった。「透明性」は、英語で「トランスペアレンシー」。例えば、1993年に設立された国際組織であるトランスペアレンシー・インターナショナルは、政府や政治家の汚職防止の観点から活動している。

誰が、何を、どう決めたのかが、組織の外部から見えるようになっていないと不正が起きやすくなる、という視点である。

意思決定のダイバーシティが持続可能な発展に

muraki

村木 真紀 (認定NPO法人虹色ダイバーシティ代表理事)

認定NPO法人虹色ダイバーシティ代表(理事長)。社会保険労務士。茨城県生まれ、京都大学総合人間学部卒業。日系メーカー、外資系コンサルティング会社等を経て現職。当事者としての実感とコンサルタントとしての経験を活かして、LGBTに関する調査研究や社会教育を行う。著書「虹色チェンジメーカー」(小学館新書)執筆記事一覧

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キーワード: #LGBT#ダイバーシティ

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