そもそも今回の州法は、トランプ前大統領の強力な支持者であるブライアン・ケンプ知事ら地元の共和党が主導して進めた。ジョージア州は長年、共和党の牙城だったが、2021年11月の大統領選挙では民主党が逆転勝利し、トランプ前大統領の「逆転負け」の象徴の一つになった。
さらには2021年1月5日に実施した上院議員ジョージア州選挙でも、当初の予想に反して民主党議員が2議席を独占し、民主党は「ねじれ議会」を回避できた。こうした流れは、ジョージア州などで、これまで投票率が低かった黒人などのマイノリティの投票率が上がったためとされる。
このような背景で成立した今回のジョージア州法は、かつての黒人差別の枠組みを作ったジム・クロウ法(1876年成立、1964年廃止)になぞらえ、「21世紀のジム・クロウ法」だとして米国メディアも批判を強めている。