オイスカは現地入りしてすぐに現地を調査しました。わかったことは、海抜ゼロ㍍ではクロマツは地中深くに根を張る深根性のはずなのに根が下に伸びていません。円盤のような浅い根のため簡単に倒れこれをさらして「根返り」をおこしていました。
しかし、高さ1㍍ほどの土がある場所ではここに根を張りしっかり立って残っていました。盛り土をすれば問題はなく、クロマツは日差し、乾燥に強く、耐塩性もあるので、海岸林にぴったりなのです。
オイスカの努力が実り、地元に受け入れられる日が来ました。播種や収穫など農作業の節目に催すホルモン焼の宴会「とんちゃん」に招かれたのです。「俺たち、お前らを認めるから」。荒い言葉でしたが笑顔に、温かい心情があふれていました。プロジェクトの構想から半年がたっていました。