小田急電鉄は9月、ウェイストマネジメント(廃棄物管理)事業に進出した。沿線地域での資源・廃棄物の収集運搬と管理を手掛ける。同社はサーキュラーエコノミー(循環経済)の実現を目指しており、今回の廃棄物管理業務への進出もその一環だ。(オルタナ編集部)

小田急電鉄が管理する廃棄物の収集運搬車の運転席では、
タブレットで最適ルートが分かる(神奈川県座間市で)

同社が始めた事業の名称は「WOOMS」(ウームス)。神奈川県座間市で、2020年8月から、廃棄物収集の効率化に向けた実証実験を始めていた。

このうち「収集・排出サポート」では、集積所の位置情報をデータ化し、タブレットを活用したルート案内や収集データの蓄積によって、収集スタッフの業務効率化を促進する。

このほか、リアルタイムな収集状況の把握と収集データの活用により業務最適化を促進する「管理サポートシステム」、事業者向けに電子マニフェストの発行などのサービスを提供する「事務処理サポートシステム」の3つの業務システムを確立していく計画だ。

同社がサーキュラーエコノミー関連事業に進出したのには伏線があった。2018年度から、グループの事業構造を変革し、鉄道・不動産に次ぐ事業を複数立ち上げることを目的に「イノベーションマネジメント」の仕組みを導入した。

その中で、「社会課題の解決を起点にしたビジネス創出」の流れができた。サーキュラーエコノミーについては、廃棄物の収集運搬において人手不足が深刻で、収集運搬の停滞は、地域社会の持続可能性に大きな影響を与えかねない課題であることが分かったという。

「収集サポートシステム」では、日揮ホールディングスなどが進める「国産廃食用油を原料とするバイオジェット燃料製造サプライチェーンモデルの構築事業」に参画する。

飲食事業者が排出する廃食用油を資源として活用するなど、地域で排出される廃棄物を資源に繋げる取り組みを始める。

同社の久富雅史経営戦略部長は、今回の「ウェイストマネジメント事業」進出について「当社は鉄道や不動産事業が中心でしたが、将来にわたり持続可能な地域を維持することは当社の存在意義でもあった」と説明する。

「収集運搬の効率化を支援する業務は、当社が長年、運輸業で培ってきたインフラの運行と安全を維持するノウハウが非常に活かされるはず。ここで得たソリューションは、日本全国に広げていきたい」と期待を込めている。