CSR担当者リレーコラム第12回:JAL(第2回)

CSRリレーコラム(12)

企業のCSR担当者によるリレーコラムを始めます。参加するのは、12社のCSR担当者の皆さん。SDGsや脱炭素など、サステナビリティの潮流は高まるばかりです。CSR活動もますます重要になっています。各企業の担当者には、「自社の一押し活動」から日々の悩みなどを書いていただきます。第12弾は日本航空 ESG推進部 アシスタントマネジャーの大津道子さんです。

*CSRリレーコラム参加企業一覧
フジテレビジョン
リコージャパン
日本航空
セブン&アイ・ホールディングス
リクルート
千代田化工建設
帝人
トヨタ自動車
ゴールドマン・サックス
三菱地所
ミツカン
MS&ADインシュアランスグループホールディングス

■10年後、そして30年後、見上げる空には何が見えるのでしょうかー。

昨今、世界各地で異常気象が頻繁に観測されるようになったことで、気候変動への対応について関心が高まっています。これに密接な関係があるとされる地球温暖化は、同時に生態系への影響をもたらすことも懸念されています。(日本航空 ESG推進部 アシスタントマネジャー=大津 道子)

地球温暖化は温室効果ガスの増加が原因ですが、中でも最たるものが二酸化炭素(CO2)です。全世界の産業別で見たときに航空産業が占めるCO2排出量の割合は約2%ですが、日本国内でも本格化しつつあるカーボンニュートラルへの対応に先立ち、国際航空分野においてはすでにCORSIA※ という排出権取引のスキームが確立されています。

※ Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation/国際線で2019年のCO2排出量の超過分に対して排出権の購入などを義務付ける制度

さらにコロナ禍により、いわゆる「飛び恥」のようなCO2削減に対する社会的ムーブメントが加速しており、欧米を中心にCO2排出規制の強化や排出権取引が活発になっていることから、JALグループも企業として地球の未来のためにできることを考えるとともに、時代に合った経営戦略への転換が求められています。          

航空産業におけるCO2削減は、
①航空機をA350などの省燃費機材に切り替えること、
②搭載物の軽量化や巡航中の速度調整、離着陸時の運航方式など、燃料の消費を抑えるために日々の運航で工夫を重ねること、
③SAF (Sustainable Aviation Fuel=代替航空燃料)を活用すること、
④前述の①~③では削減できない分をCCS(Carbon dioxide Capture and Storage=CO2を回収し、地中や海底に貯留する技術)やDAC (Direct Air Capture=大気中のCO2を直接回収する技術)、また排出権取引で補うこと、の4つが主な手段です。

しかし、これらを単純に積み上げただけでは、目標とするCO2の削減はまだ困難です。いま、世界中の航空会社が業界の枠組みを超えたイノベーションを創出すべく、様々な取り組みを開始しています。

こうした状況下にあって、JALグループが掲げる「2050年のネット・ゼロエミッション」という目標に向けたシナリオ策定にあたり、私は社内プロジェクトを推進する立場にあります。

JALグループの全社員がプロジェクトを担う一員であるという意識の醸成に努めることで、一人ひとりが自分にできることを自主的に考え、取り組むことのできる強いチームを作り上げ、グループ一丸となって目標の達成を目指します。

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