「床張り」イベントで暮らしについて考えてみた

素人でも取り組みやすい「床張り」の技術を伝授する「全国床張り協会」が全国各地で床張りイベントを開催している。同協会を立ち上げたのは、自給的な仕事を複数持つという「ナリワイ的生活」を提唱、実践する伊藤洋志さんだ。自分で床張りができれば、住居費の負担から解放されるとともに、社会で問題となっている空き家問題の解決にもつながる。このほど京都で開かれたイベントに参加し、暮らしについて振りかえってみた。(実生社・越道京子)

都会での暮らしは何事もお金、疲れても休む場も有料だ。そのうちに空気を吸うのにも課金されるんじゃないかと思わされるほどの高度消費社会に私たちは生きている。

消費者としてほとんどの必要物資を金銭で得る都会での暮らしは、お金が稼げなくなったり、災害時に流通がストップしたりすることが死に直結するという不安から自由になれない。

そんな暮らしかたに異議をとなえ、伊藤さんは、農家の手伝いと農産物販売、作業着ブランドの運営、ツアーの企画、など多岐に及ぶ活動を展開し、それらを「ナリワイ」(生業)と呼んでいる。

伊藤さんはナリワイを「個人レベルで始められて、自分の時間と健康をマネーと交換するのでなく、やればやるほど頭と体が鍛えられ、技が身に付く仕事」と定義する。

なかでも伊藤さんが名誉会長を務める「全国床張り協会」の活動に私はかねてから関心を寄せており、今回は京都市で開催されるというので見学に行かせてもらった。

伊藤洋志さん(左)。丸ノコなど必要な道具は、板張り協会から貸し出された
伊藤洋志さん(左)。丸ノコなど必要な道具は、板張り協会から貸し出された
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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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