記事のポイント
- 欧州で「グリーンウォッシュ」への規制が強化され出した
- 欧州委員会の調査では調査対象企業の約半数に虚偽表現が
- 英国やフランス、ドイツなどでは指針の策定や法規制に取り組む
■ALTキーワード「グリーンクレームコード」
環境配慮に関する見せかけの宣伝をグリーンウォッシュという。企業広告などで見られる同行為は、消費者の誤認を誘い、巡り巡って企業自身の印象も損なう上、環境保護も阻害する。しかしながら欧州委員会の調査(2021年)では、調査したウェブサイトの42%で根拠不十分な表現が見られた。(新語ウォッチャー=もり ひろし)
この問題に指針や法規制で対応する動きが各国で広まる。例えば英国の公正取引委員会にあたる競争・市場庁(CMA)では、グリーンクレームコード(環境配慮の主張に関する指針)を21年9月に発表した。
企業による主張について①正確である②明瞭である③重要な情報を省略しない④公平で有意義な比較のみを行う⑤ライフサイクル全体を考慮する⑥立証されている、という6原則への準拠を求めた。例えばパッケージに「地球にやさしい」とだけ記して根拠を記さない商品は②に抵触する。
一方フランスは21年4月に規制法を成立させた。虚偽と判断された広告について当該広告費の最大80%の罰金を課す。
ドイツでは、宣伝と実態が乖離するESG商品について、金融当局が金融大手ドイツ銀行の家宅捜索を行ったこと(22年5月)も話題になった。