記事のポイント
- 京都市で人気の市民マラソン大会にペットボトル回収機が登場
- セブン&アイ・ホールディングスが提供したもので、ランナーの容器を回収
- サプライチェーンと生活者をつなげる同社は資源循環の輪を広げる
■サステナ担当者リレーコラム(32)
企業のサステナビリティ担当者のリレーコラムです。参加するのは、14社のサステナビリティ/CSR担当者の皆さん。SDGsや脱炭素など、サステナビリティの潮流は高まるばかりです。CSR活動もますます重要になっています。各企業の担当者には、「自社の一押し活動」から日々の悩みなどを書いていただきます。第32弾はセブン&アイ・ホールディングス執行役員の釣流まゆみさんです。
*CSRリレーコラム参加企業一覧
フジテレビジョン
日本航空
セブン&アイ・ホールディングス
リクルート
千代田化工建設
リコージャパン
帝人
ゴールドマン・サックス
三菱地所
メルカリ
ユーグレナ
パナソニックホールディングス
リクシル
■都大路にペットボトル回収機大活躍
前回のコラムでは「私たちは流通・小売グループとして、お客様とのフロントラインにいることを第一に、地域での役割を果たしながら、進めていきたいと考えています」と締めました。
まさに、これに応えるように、セブン-イレブンの兵庫・京滋・奈良ゾーンの担当者から報告がありました。古都京都を1万6千人のランナーが駆け抜ける、人気の市民マラソン「京都マラソン」での取り組みです。

今年はコロナにより3年ぶりの開催。アジアを中心に海外選手も参加しました。
「DO YOU KYOTO?マラソン」として、「環境にいいことをする」をメインコンセプトにした環境先進都市・京都にふさわしい大会です。
残念ながら、マラソンランナーとしての参加は適いませんが、私たちのペットボトル回収機が参加させて頂くことになりました。水分補給として飲料メーカー様の協力はマラソンには欠かせません。そこで発生するペットボトルを回収する為に、回収機を設置させて頂くことになったのです。
大会当日の出展だけでなく、事前にマラソンの機運を高める啓発活動にもご協力させて頂きました。
大会メインコンセプトの環境配慮の取組みとして、ペットボトル回収機の出展が位置付けられている為、京都市の公式SNS各種や大会テレビ番組で様々に紹介頂きました。
ゴールである平安神宮の近くで、ペットボトル回収機を設置。地区メンバーが呼びかけて回収いたしました。

セブン&アイグループでは、ペットボトル回収を各社で実施しています。2021年はコロナで影響を受けながらも、2千万人の方に参加頂き、4億本を回収しました。
現在2万店を超える店舗の約一割の店頭に回収機を設置しています。地域の方々が綺麗にして頂いたペットボトルを回収し、水平リサイクルに繋げています。
自治体の方々の理解のもと、地域の生活者、リサイクラー、配送業者、ボトラーの皆様の連携で成り立っています。
この取り組みは、生活者が資源循環の重要性を実感できる大切なタッチポイントと考えています。京都市を始め、全国の自治体の皆様のご協力を頂きながら、活動の輪がどんどん広がっています。
そこで、前述の京都マラソンでの担当者からの提案です。私たちの目的は、ペットボトル回収機を設置することが目的ではなく、活動の本質である、多くの方々に活動の意味を伝え、資源循環の輪を拡大することが目的だということです。
今回の京都マラソン大会のような場で、私たちが行っているペットボトル回収を通じて、資源循環について知って頂く機会を増やしていきたいと考えています。
セブン&アイグループは、サプライチェーンの皆様と生活者の皆様との間にいます。双方に対し、理解を促す責任があります。
外に対して発信していくことと同時に、社内での本質的な理解をしっかりと定着し、進めていく事こそが活動をサステナブルにする為に重要だと気付かせてくれました。
今も、ペットボトル回収機を1台でも多く設置すべく、自治体様や関連の方々とお話し合いを進めています。
私たちは回収機を通して、少しでも多く資源循環が進むことに寄与したい、生活者の方々と一緒に環境活動に取り組んでいることを共感したい、そんな想いを皆さんにお伝えしたいと思っています。
今回の京都マラソンご参加の皆様と関係の皆様のご協力に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
釣流まゆみ:
㈱セブン&アイ・ホールディングス
執行役員
経営推進本部 サステナビリティ推進部
シニアオフィサー
・津田塾大学国際関係学科卒業・(株)西武百貨店入社(現(株)そごう・西武)
・池袋本店婦人雑貨部、販売促進部、等を経た後、営業部門へ。執行役員顧客サービス部長、執行役員池袋本店副店長、執行役員所沢店店長、執行役員東戸塚店店長、執行役員文化プロモーション部長
・2019年3月から(株)セブン&アイ・ホールディングス現職