SMBCが平日のうち1日をプロボノに、貧困・格差の解消へ

記事のポイント


  1. 三井住友フィナンシャルグループは貧困・格差の解消に本格的に取り組む
  2. 平日のうち最大1日分の業務時間を「プロボノ活動」に使う 
  3. グループ内で公募した50人が7月から半年間、NPO支援に動く

「貧困・格差の解消に向けて何ができるか真剣に考えてほしい」――。三井住友フィナンシャルグループ(FG)の太田純・グループCEOは、邦銀として2011年に初めて導入したプロボノ活動を軸に貧困・格差の解消に本格的に取り組めないか考えた。自身もプロボノ活動への関心は高い。平日のうち最大1日分の業務時間をプロボノに使うことができるという国内企業としては珍しい制度改革はどう生まれたのか。(オルタナS編集長=池田 真隆)

NPOの事業化支援に半年で50人投入へ

三井住友FGは今年4月から社会貢献活動の一環として、NPOを支援する「プロボノ」を強化した。平日のうち最大1日分の業務時間を、プロボノ活動に充てた。対象はグループ全体で公募した50人で、7月から12月まで、貧困対策を行う5つのNPOで事業化支援などを行う。

プロボノとは、ラテン語で「公共善のために」を意味する「pro bono public」を略称した言葉だ。業務で培ったスキルや知識をNPOなどの団体に無償で提供する社会貢献活動を指す。

本業のスキルを社会課題の解決に生かすことで、業務のモチベーションが上がったり、新たな視点を得られたりすることなどがメリットだ。

三井住友銀行はいち早くプロボノ活動に目を付けていた。社内に導入したのは2011年、邦銀としては初めてのことだった。

支援を求めるNPOと企業のマッチングを行う中間支援団体と連携し、社内でプロボノに興味のある社員を募った。だが、あくまで対象は有志社員で、プロボノ活動の時間も限定的だった。

社会的価値創造への貢献度を社員評価の項目に

「これまで培ったスキルを生かしたい」、プロボノ未経験者からも手が挙がる

「貧困・格差の解消は事業につながる。組織風土も変わる」

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M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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