オルタナは5月20日、サステナ経営塾22期上期第1回を開いた。第1講・第2講では、株式会社オルタナ代表取締役・オルタナ編集長 森摂が登壇し、サステナ経営検定3級テキストのポイントやCSR/SDGs/ESGの基礎知識について解説した。講義の要旨をまとめた。

① サステナ経営の基礎/サステナ経営検定3級ポイント解説(1)
・最初に、サステナ経営の目的と領域と、サステナ経営のキーワードの1つであるステークホルダーについて触れた。顧客や株主、従業員だけでなく、将来世代や自然環境などの「声なきステークホルダー」も含めて考えることが重要と説明した。
・2級テキストより3級テキストの方が詳しい項目として、「コンプライアンス(狭義と広義)」「ステークホルダー/ステークホルダーエンゲージメント」「NGO/NPOの存在」「国連グローバル・コンパクト」「世界の貧困と児童労働」などがある。
・特に「コンプライアンス」については、「サステナ経営の4つの領域」の図とともに、法的制裁を伴うハードローだけでなく、社会的要請に応えるソフトローを守ることが重要だとした。

・ソフトローの事例として芸能事務所の問題にも触れ、法的責任を問われなくても、社会から存在を許されなくなるリスクがあると説明した。
・CSR/SDGs/ESGの基本的な理解とともに歴史的経緯を振り返り、それぞれ要請元が異なることを説明した。CSRは社会全体から、ESGは投資家・株主から、SDGsは国連や各国政府、NGOなど国際社会からの要請だと整理した。
・ESGに関しては、「E」の一丁目一番地は「脱炭素」、「S」は「人権」、「G」は「DEI」だと説明した。
・また、グリーンウォッシュについては、環境省が26年3月に「環境表示ガイドライン」を大幅に改訂し、根拠のない環境訴求が厳しく問われる時代になっている。最新動向として、オランダ・アムステルダム市における食肉や化石燃料の広告規制や、オーストラリアにおける16歳未満のSNS利用制限などを紹介した。
・企業を取り巻く社会的要請や規制環境は急速に変化しているとして、ビジネスの軸を180度変えるのではなく、「地軸の傾き23.4度」のように少しずらすことが重要だと強調した。
② サステナ経営の基礎/サステナ経営検定3級ポイント解説(2)
・サステナビリティの推進は、コフィー・アナン元国連事務総長(在任:1997~2006)から本格的に始まった。アナン氏の「4つの贈り物」として、国連グローバル・コンパクトや、SDGsの前身となるMDGs(ミレニアム開発目標)、国連責任投資原則(PRI)、ビジネスと人権に関する指導原則を紹介した。
・その一方で、米国を中心に反ESGの動きも広がっている。気候変動対策のイニシアティブから離脱する企業の動きや、DEIを巡る政策転換などについて解説した。
・ESG投資については、欧州でESG投資比率が減少しているように見えるが、投資が減少したのではなく、ESGの定義や基準が厳格化された結果であると説明した。実質的なレベルは高まっているという。
・「E(環境)」では、世界の平均気温は産業革命前から単年で1.5℃以上上昇し、気候変動が予測以上のスピードで進行しており、対策の重要性を語った。
・また、ホルムズ海峡を巡る地政学的リスクに関連して、肥料の原料となる窒素・リン酸・カリウムなどの資源問題にも触れた。下水処理場の汚泥からリンを回収する取り組みなども紹介した。
⇦探したのですが、よくわかりませんでしたので、カルビーは段落削除します
・「S(社会)」では、「ビジネスと人権」に焦点を当て、児童労働や強制労働の問題について解説した。企業はサプライチェーン全体を通じて人権課題に向き合う必要があるとした。
・「G(ガバナンス)」では、ガバナンスの語源が「舵を取る」を意味することに触れながら、企業が進むべき方向性を示す役割について説明した。ダイバーシティの推進はガバナンス課題でもあるとし、多様な人材が活躍できる組織づくりの重要性について解説した。
・企業のパーパス(存在意義)は、収益性などの経済価値だけでなく、社会の繁栄にもつながる視点が重要だと説明した。また、パーパスが従業員のプライドやエンゲージメントの向上につながるとした。
・サステナ経営は「サッカー型経営」に近いとし、攻守同時性、スピード、グローバル感覚が求められると説明した。
・最後に、SDGsの目標年である2030年まで残り4年となり、「ポストSDGs」の議論も始まっていることを紹介した。また、SDGsの達成状況は芳しくなく、新型コロナウイルスの影響で4年分以上の前進が帳消しになったとの見方も示した。



