常識を覆す未来の畜産を見た、日本は大きな転換点に

記事のポイント


  1. 京都府綾部市で、休耕田を活用した豚の放牧が行われている
  2. 約700平方メートルの休耕田で飼育されるのは、わずか2頭の豚だ
  3. 地域資源を生かし、輸入飼料や大量生産に依存しない畜産モデルを実践する

放牧で育つ豚
広大な土地で放牧で育つ豚

京都府綾部市の休耕水田などで豚の放牧に取り組む氏本長一くんに久しぶりに再会した。彼は北海道帯広畜産大に進み、稚内市役所で畜産を担当した後、宗谷岬の肉牛牧場で牧場長を務めるなど、まさに畜産のプロフェッショナルだ。

ぼくが彼に会ったのはちょうど15年ほど前、彼は生まれ故郷の山口県祝島で、原発建設への反対運動をしながら豚の放し飼いをしていた。その時に聞いた彼の言葉が忘れられない。

「島で出る残飯で育てられる頭数以上の豚は飼わない」

一般的な養豚は、餌のほとんどを輸入穀物に頼り、購入した子豚を狭いケージに入れ、短期間に太らせるため高カロリー飼料を与え、約6カ月で出荷する。「効率優先」のシステムだ。

しかし今、世界的な穀物価格の高騰と円安、さらにはエネルギー価格も高騰が進み、大量生産型にシフトしてきた日本の畜産は大きな転換点に立たされている。

氏本くんが実践する豚の放牧は、それとはおよそかけ離れた、感動すら覚える光景だ。

約700平方㍍ほどの休耕田に放されているのはたった2頭の豚だ。それが何カ所かある。

■豚が「生きた耕運機」に

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tokuemichiaki

徳江 倫明(オーガニックフォーラムジャパン会長)

1951年熊本県水俣市生まれ。78年「大地を守る会」に参画、有機農産物の流通開発を行い、88年日本初の有機農産物の宅配事業「らでぃっしゅぼーや」を興す。その後オーガニックスーパー、有機認証機関の設立などを手がけ、環境と食の安全をテーマにソーシャルビジネスの企画開発に挑戦し続けている。現在は(一社)フードトラストプロジェクト代表理事、生産と販売を繋ぐ“東京産直オフィス”FTPS株式会社を運営。

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キーワード: #農業

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