記事のポイント
- ボストン・コンサルティングが世界の職場でのAI活用調査結果を公表した
- AI活用で約7割が満足度向上の一方、約4割が「認知的負荷」増を実感
- 効率化によって創出した時間の活用法も未定、役割や業務の再設計が課題だ
経営コンサルティング世界大手のボストン・コンサルティング・グループ(BCG)はこのほど、日本を含む世界の職場におけるAI活用に関する意識調査結果を公表した。調査の結果、日常的なAI利用者の約7割が仕事への満足度が向上した一方、約4割が「認知的負荷」の増加を実感している。AIによる効率化で創出した時間の活用法が定まっていない実態も浮かび上がった。(オルタナ編集部・川原莉奈)

BCGの調査によると、一般従業員のAI活用は大きく進展している。日常的な利用率(週に数回以上)は世界平均で74%に達し、昨年から20ポイント以上上昇した。
地域別ではインド(95%)や中東諸国(93%)などグローバルサウスが牽引している。一方で日本は66%にとどまり、米国(62%)などは上回ったものの世界平均には届かなかった。

こうした普及が進む中で、AIを日常的に利用している人のうち、67%が仕事への満足度が向上している。
しかし同時に、思考や判断による疲労感、いわゆる「認知的負荷」が増大したと答えた人も41%にのぼった。
働きやすさが向上する半面、業務の難易度も上がるという、AI特有の「パラドックス」が浮き彫りとなっている。
さらに問題となっているのが、業務効率化の「その先」だ。
AIを日常的に利用する一般従業員の42%が、AIによって週に少なくとも1営業日分の時間を創出していると回答した。だが、66%は創出した時間の活用法について会社から十分な指針を示されておらず、半数以上がその時間を戦略的な業務に振り向けられずにいる。
AIエージェントの実装が加速するなか、BCGは「統制や責任の枠組みづくりは依然として発展途上だ」と指摘する。AIの価値を持続的な競争力に結びつけるため、経営層主導による組織変革とガバナンス強化の推進を求めている。
※調査実施国・地域:インド、中東諸国(アラブ首長国連邦、サウジアラビア、クウェート、カタール)、オーストラリア、ブラジル、南アフリカ、ドイツ、英国、スペイン、ベルギー、オランダ、北欧諸国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド)、日本、米国、フランス、イタリア
調査対象:経営幹部から従業員までを含む1万1,749人


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