記事のポイント
- 世界ベンチマーク同盟は世界400の金融機関の気候変動対策を評価した
- その結果、化石燃料への規制を明確に示したのは2社だけだった
- 世界の金融機関の化石燃料政策は依然として不均一であった
世界ベンチマーク同盟(WBA:ワールド・ベンチマーク・アライアンス)はこのほど、金融機関400社を対象に、パリ協定の目標達成に向けた気候変動対策を評価した。評価対象の400社のうち、化石燃料への投資引き上げなど明確な規制を示したのは2社だけだった。世界の金融機関の化石燃料政策は依然として不均一であることが明らかになった。(オルタナ総研フェロー=室井孝之)
世界ベンチマーク同盟が公表したのは、「金融システム気候評価2025年版」。パリ協定の目標達成に向けた気候変動対策や移行計画の進捗を評価(金融システム気候評価)した。対象は世界の金融システムに多大な影響力を持つ銀行、保険会社、資産運用会社など金融機関400社だ。
評価対象の金融機関の3分の1以上が低炭素経済への移行計画を示しているものの、強力な化石燃料(石炭、石油、ガス)規制を示したのはINGとチューリッヒ州立銀行(スイス)の2社だけであったことが分かった。透明性にも課題があった。
金融システム気候評価は、戦略、ガバナンスと管理、気候および自然保護・修復の資金調達、環境フットプリント、包括的金融、責任あるビジネス行動という5つの異なる測定分野にわたる39の指標からなる。
ランキング上位5企業のスコア(100点満点)は次の通りだ。
1位CIMB(マレーシア):43.0点、2位ING(オランダ):39.9点、3位欧州投資銀行(ルクセンブルク):39.2点、4位ナショナル・オーストラリア銀行(豪州):38.2点、第5位アリアンツ(独):35.9点。
上位100位以内の日本企業は、次の6社だ。
20位SMBC:30.1点、31位みずほ:27.6点、55位東京海上:23.7点、89位日本ゆうちょ銀行:20.3点、92位第一生命:20.1点、95位MS&AD:19.6点。
世界ベンチマーク同盟は、「化石燃料政策は依然として不均一であり、多くの機関がまだ包括的かつ無条件の制限を適用していない。これは信頼できる移行計画のために必要なものだ」と総括した。



